蓄電池の補助金、国と自治体は併用できる?ルールを整理
蓄電池の補助金は、国と自治体の制度を組み合わせられる場合がありますが、国の補助金同士は併用できないなどのルールがあります。国の公募要領をもとに、併用の考え方と確認先、減税制度との関係を整理しました。

目次
はじめに
蓄電池の補助金を調べていると、国の制度、都道府県の制度、市区町村の制度と、いくつもの補助金が見つかることがあります。そこで気になるのが「全部あわせて使えるのか」という点です。
答えは「組み合わせられる場合もあるが、ルールがある」です。このコラムでは、国の蓄電池補助金である「DR補助金」の公募要領(2026年度・令和7年度補正)をもとに、併用の考え方と、どこに確認すればよいかを整理します。
併用のルールは3つに分けて考える
補助金の併用は、組み合わせる相手によって考え方が変わります。大きく分けると次の3つです。
- 国の補助金どうし
- 国の補助金と自治体の補助金
- 補助金と減税制度
それぞれ見ていきましょう。
国の補助金どうしは併用できない
DR補助金の公募要領では、この補助金と、ほかの国の補助金(国庫補助金)との併用はできないと定められています。同じ蓄電池について、国の別の補助金でも申請していて、そちらの交付が先に決まった場合は、速やかに執行団体(SII)に連絡するよう求められています。
つまり、国の財源を使った補助金を、同じ設備に二重に受け取ることはできません。国の制度を複数見つけた場合は、どちらか一方を選ぶことになります。
注意したいのは、自治体の補助金の中にも、国の財源が使われているものがある点です。その場合は「自治体の補助金」であっても、国の補助金との併用が認められないことがあります。
国と自治体の補助金は「自治体に確認」
DR補助金の公募要領では、地方自治体が実施する補助金や助成金との併用については、その自治体に確認するよう定められています。
国・都道府県・市区町村の補助金は原則として併用できるとする解説が多い一方で、自治体によっては「ほかの補助金との併用を認めない」と定めているところもあります。併用できるかどうかは、自治体ごとの要綱(募集要項)で決まるため、使いたい制度が見つかったら、それぞれの要綱で併用の扱いを確認してください。
確認するときは、次の点を担当窓口に聞いておくと確実です。
- 国の補助金(DR補助金など)と併用できるか
- 都道府県と市区町村の補助金を両方使えるか
- 併用する場合、補助額が減額されるなどの調整があるか
- 申請の順番に決まりがあるか
減税制度は「税の窓口に確認」
補助金とは別に、税金が安くなる制度が使える場合もあります。東京ガスの解説では、住宅ローン減税や、リフォームの工事費に応じて税金が安くなるリフォーム促進税制が、蓄電池に関連する制度として紹介されています。
ただし、蓄電池がこれらの制度の対象になるかどうかは、新築か既存住宅か、どのような工事と一緒に行うかによって変わります。DR補助金の公募要領でも、税制の優遇措置との併用については、それぞれの税制の担当窓口に確認するよう定められています。減税を考えている場合は、税務署や施工会社に確認してから計画を立てましょう。
併用を考えるときの進め方
補助金を組み合わせて使いたい場合は、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 住んでいる市区町村、都道府県、国の順に、使える制度を洗い出す
- それぞれの制度の要綱で、併用の可否と条件を確認する
- 国の制度が複数ある場合は、どれか1つを選ぶ
- 申請の時期(契約前・着工前の申請が必要かどうか)をそろえて、スケジュールを組む
- 減税を考える場合は、税の窓口にも確認する
特に申請の時期は、制度ごとに条件が異なります。ある制度の条件に合わせて先に契約したことで、別の制度が使えなくなることもあるため、最初にすべての制度の条件を並べて確認することが大切です。
申請の時期がぶつかる例
たとえば、国のDR補助金は、交付決定の前に契約していないことが条件です。一方、自治体の補助金の中には、東京都のように契約の前に申請しなければならない制度もあります。
この2つを併用したい場合は、次のような順番になります。
- 契約の前に、国と自治体の両方に申請する
- 両方の制度の条件を満たす時期まで、契約・発注・工事を待つ
- それぞれの制度の手順に沿って、工事後の報告や請求を行う
どちらか一方の都合だけで契約を急ぐと、もう一方が使えなくなることがあります。併用するなら、最も厳しい条件に合わせて全体のスケジュールを組みましょう。
おわりに
蓄電池の補助金を併用するときは、組み合わせる相手によってルールが変わります。
- 国の補助金どうしは、同じ設備に併用できない
- 国と自治体の補助金の併用は、自治体の要綱で決まる。国の財源を使った自治体の補助金には注意
- 減税制度との併用は、税の窓口で確認する
- すべての制度の条件を最初に並べて、申請の順番を決める
2026年度の国のDR補助金はすでに受付を終えていますが、自治体の補助金は受付中のものもあります。併用を考える際は、必ず各制度の公式情報で最新の条件を確認してください。
※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。補助金・減税制度の内容や条件は年度によって異なるため、申請前に必ず各制度の公式情報をご確認ください。