安い電力会社の選び方|失敗しないために確かめたい5つのコツ
電力会社を「単価の安さ」だけで選ぶと、燃料費調整額の上限の有無や市場連動型の仕組みで、思わぬ値上がりにつながることがあります。自分の使用量での総額の比べ方から、料金の変わり方、契約の条件まで、失敗しないための5つのコツを整理しました。

目次
はじめに
電気代の値上がりが続くなか、「もっと安い電力会社に乗り換えたい」と考える方は多いでしょう。電力比較サイトを見ると、多くの会社が「今より安くなる」とうたっています。
ただ、電力会社を「表に出ている単価の安さ」だけで選ぶと、あとから思わぬ値上がりに驚くことがあります。このコラムでは、安い電力会社を選ぶときに失敗しないための5つのコツを紹介します。
コツ1:自分の使用量で「総額」を比べる
電気料金は、基本料金と、使った量に応じた電力量料金などを合わせた金額です。単価の一部だけを見ても、本当に安いかどうかは分かりません。
- 検針票やWebサイトで、月ごと・季節ごとの使用量を確認する
- その使用量で、今のプランと候補のプランの月の総額を計算する
- 夏や冬など、使用量が多い月も含めて、1年の総額で比べる
多くの標準的なプランは、使用量が増えるほど単価が上がる3段階の料金です。たとえば東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」は、解説サイトによると2026年5月時点で、最初の120kWhまでが1kWhあたり29.80円、300kWhまでが36.40円、それを超える分が40.49円です(税込)。使用量によって、どのプランが得かは変わります。
コツ2:燃料費調整額の「上限」を確かめる
電気料金には、発電の燃料の価格の変動を反映する「燃料費調整額」が含まれています。燃料の価格が上がると、この額も上がります。
電力比較サイトのエネチェンジの解説によると、大手電力の「従量電灯」などの規制料金では、消費者保護の観点から燃料費調整の単価に上限が設けられています。一方、自由料金には一律の上限のルールがなく、上限を設けているプランも、設けていないプランもあります。
燃料の価格が大きく上がった時期には、上限のあるプランとないプランで、料金の差が大きく開くことがあります。比べるときは、今の単価だけでなく、燃料費調整額に上限があるかどうかも確かめましょう。
コツ3:「市場連動型」の仕組みを理解する
電力会社の中には、電気の市場の価格に連動して料金が変わるプランを提供しているところがあります。同じ解説によると、「市場連動型」と呼ばれるプランは、日本卸電力取引所(JEPX)の市場の価格に連動して、30分ごとに電力量料金の単価が変わります。
市場の価格が安い時期には電気代が下がりますが、需給がひっ迫して市場の価格が上がる時期には、電気代が大きく上がる可能性があります。2021年の冬には、市場の価格が高騰し、市場連動型のプランを契約していた家庭の電気代が急に上がったことが話題になりました。
「電源調達調整費」など、燃料費調整額とは別の名前の項目で、市場の価格を反映しているプランもあります。料金表の項目の名前と、その中身を確かめることが大切です。
コツ4:基本料金0円プランは計算してから
「基本料金0円」のプランは分かりやすく魅力的です。ただ、エネチェンジの解説では、基本料金0円のプランは電力量料金の単価が一律に設定されていることが多く、電気の使用量が少ない世帯などでは、かえって割高になる可能性があると指摘されています。コツ1と同じく、自分の使用量で総額を計算して判断しましょう。
コツ5:契約の条件を確かめる
料金だけでなく、契約の条件も確認しておきましょう。
- 契約の期間と解約金:一定の期間内に解約すると、解約金がかかるプランもある
- セットの割引の条件:ガスや通信とのセットで安くなるプランは、セットをやめたときの料金も確認する
- ポイントや特典:ポイントの還元を含めて安く見えるプランは、ポイントを除いた料金でも比べる
- 料金の改定のルール:料金を見直す場合に、どのように知らせるかを確認する
乗り換えの手続きは簡単
コツを押さえて電力会社を選んだら、乗り換えの手続きは難しくありません。エネチェンジの解説によると、今の電力会社への解約の手続きは、新しく契約する電力会社が行うため、自分で行う必要はありません。申し込みには、検針票やマイページで確認できる「供給地点特定番号」などを用意しておくとスムーズです。
安さ以外の選び方もある
電力会社は、安さだけで選ぶものではありません。再エネの電気を選べるプランや、地域の電力会社を選ぶことで、地域の再エネや経済を応援することもできます。料金の比べ方を押さえたうえで、自分が大切にしたいことに合う電力会社を選びましょう。
おわりに
安い電力会社を選ぶときの5つのコツをまとめます。
- 自分の使用量で、1年の総額を比べる
- 燃料費調整額に上限があるかを確かめる。自由料金には一律のルールがない
- 市場連動型のプランは、市場の価格が上がると電気代が大きく上がる可能性がある
- 基本料金0円のプランは、自分の使用量で計算してから選ぶ
- 契約の期間、解約金、セットの条件など、料金以外の条件も確かめる
※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。料金プランの内容は電力会社によって異なるため、必ず各社の公式情報をご確認ください。