DR補助金は個人だけでは申請できない?販売事業者との「共同申請」の実際
国の蓄電池補助金「DR補助金」は、購入者が一人で申請する制度ではありません。販売事業者と共同で申請する仕組みと、購入者本人がやること、申請から受け取りまでの流れを、SIIの公式情報をもとに整理しました。

目次
はじめに
国の家庭用蓄電池向けの補助金「DR補助金」について、「個人でも申請できるのか」「業者に任せるものなのか」という質問をよく見かけます。
結論から言うと、DR補助金は購入者が一人で申請する制度ではなく、蓄電池を販売する事業者と購入者が共同で申請する仕組みです。このコラムでは、2026年度(令和7年度補正)の制度をもとに、共同申請の仕組みと、購入者本人がやること、申請から補助金を受け取るまでの流れを整理します。
なお、2026年度分の公募は、2026年5月29日に申請額の合計が予算に達したため、すでに終了しています。次の公募に備える参考として読んでください。
補助を受けるのは「購入者」、手続きは「共同」
DR補助金の対象者は、DR(電力の需要と供給のバランスを保つための調整)に活用できる家庭用蓄電システムを新しく導入する個人・法人・個人事業主です。つまり、補助金を受け取るのは蓄電池を買う本人です。
ただし、申請の手続きは本人だけでは完結しません。制度を執行する一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)の案内では、蓄電池を販売する事業者が「共同実施事業者」として、購入者と一緒に交付申請の手続きを行う形になっています。
販売事業者(共同実施事業者)の役割
共同実施事業者となる販売事業者は、次のような役割を担います。
- 自身が連携している「蓄電池アグリゲーター」または小売電気事業者から、DRの契約内容や申請できる蓄電システムについて説明を受ける
- その内容を購入者に説明する
- 購入者と共に交付申請の手続きを行う
蓄電池アグリゲーターとは、多くの家庭の蓄電池を束ねて、電力の需給調整に活用する事業者のことです。DR補助金で導入した蓄電池は、このDRの仕組みに参加することが前提になっているため、販売事業者を通じてDRの契約までを一体で進めることになります。
購入者本人がやること
共同申請とはいえ、購入者本人にしかできないこともあります。
- 本人確認情報の登録:申請の最初に、本人確認のための情報を登録します
- 共同実施事業規約への同意:販売事業者と共同で事業を行うための規約に同意します
- 製品の確認と見積もりの取得:補助対象の製品を確認し、見積もりを取ります。複数の販売事業者を比較することもできます
特に注意したいのが支払いです。SIIの案内では、蓄電システムの費用の支払いは、売買契約を結んだ本人からの支払いしか認められていません。家族であっても、本人以外が支払うと認められないため、契約者と支払者を必ず一致させてください。
申請から受け取りまでの流れ
2026年度の制度では、おおむね次の順番で進みます。
- 本人確認情報を登録する
- 見積もりを取り、販売事業者を選ぶ
- 補助事業の内容を理解し、共同実施事業規約に同意する
- 交付申請を行う
- 審査を経て、交付決定を受ける
- 交付決定のあとに発注し、設置工事を行う
- 検収し、費用を支払う
- 実績報告を行う(2026年度の期限は2027年1月14日)
- 審査を経て、補助金の額が確定する
- 補助金を請求し、受け取る(2026年度の期限は2027年3月31日)
大切なのは、交付決定を受ける前に発注や工事をしないことです。順番を誤ると、補助の対象から外れるおそれがあります。
費用はいったん全額を支払う
この流れを見ると分かるとおり、費用の支払いは実績報告より前に行います。補助金を受け取るのは、実績報告の審査を経て金額が確定し、請求をしたあとです。つまり、購入者はいったん蓄電池の費用の全額を支払い、補助金はあとから受け取る形になります。2026年度の制度では、補助金の受け取りの期限が2027年3月31日とされていました。支払いから補助金の入金まで時間がかかることを前提に、資金の計画を立てておきましょう。
事業者選びで確認したいこと
共同申請の仕組み上、どの販売事業者を選ぶかで手続きの進めやすさが変わります。相談の際には、次の点を確認しておくと安心です。
- DR補助金の共同実施事業者として申請に対応しているか
- 連携しているアグリゲーターや小売電気事業者、DRの契約内容について説明してもらえるか
- 検討している製品が補助の対象になっているか
- 交付決定まで発注・工事を待つスケジュールで進めてもらえるか
おわりに
DR補助金は、購入者が補助を受け、販売事業者と共同で申請する制度です。
- 補助金を受け取るのは購入者本人。手続きは販売事業者(共同実施事業者)と一緒に進める
- 本人確認情報の登録や規約への同意など、本人にしかできない手続きがある
- 費用の支払いは契約者本人からに限られ、家族の支払いも認められない
- 交付決定の前に発注・工事をしない
次年度の制度の内容は、国の予算の発表を待つ必要があり、手続きの形が変わる可能性もあります。公募が始まったら、SIIの公式情報で最新の流れを確認してください。
※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。補助金の内容・手続き・期限は年度によって異なるため、申請前に必ずSIIの公式情報をご確認ください。