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工場・事業場型と電化・脱炭素燃転型の違い|省エネ補助金の型を整理

省エネ・非化石転換補助金の中でも、事業所全体の省エネに使う「工場・事業場型(Ⅰ型)」と、化石燃料の設備を電化・燃料転換する「電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)」は、目的も申請の仕方も異なります。2つの型の違いと選び方を整理しました。

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工場の生産ラインの横に並ぶ空調・熱源設備の室外機とタンク、配管
目次

はじめに

国の「省エネ・非化石転換補助金」には、いくつもの型と区分があります。中でも、名前が似ていて迷いやすいのが「工場・事業場型(Ⅰ型)」と「電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)」です。

どちらも工場や事業所の脱炭素を後押しする区分ですが、目的も、申請の仕方も異なります。このコラムでは、2つの型の違いと、自社にどちらが合うかの考え方を整理します。

2つの型をひとことで言うと

  • 工場・事業場型(Ⅰ型):事業所全体でエネルギーの使い方を見直し、大きな省エネを実現する取り組みを支援する
  • 電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型):重油やガスなど化石燃料を使う設備を、電気や脱炭素の燃料を使う設備に替える取り組みを支援する

Ⅰ型は「事業所全体の省エネ」、Ⅱ型は「燃料の種類を変える転換」が中心だと考えると分かりやすくなります。

申請の仕方の違い

補助金ポータルの解説によると、補助金の申請の型は「工場・事業場型」と「設備単位型」の2つに分かれています。

  • 工場・事業場型:事業所全体の省エネの計画で申請する。支援の期間は最大4年。事業区分はⅠとⅣ
  • 設備単位型:導入する設備ごとに申請する。支援の期間は最大2年。事業区分はⅡ・Ⅲ・Ⅳ

つまり、Ⅰ型は工場・事業場型として事業所全体の計画で申請し、Ⅱ型は設備単位型として設備ごとに申請します。この違いが、準備の手間や、支援を受けられる期間の違いにもつながります。

工場・事業場型(Ⅰ型)の中身

SIIの特設サイトによると、工場・事業場型には次の枠があります。

  • 先進枠
  • 一般枠
  • 中小企業投資促進枠
  • サプライチェーン連携枠
  • EMS機器の導入

補助金ポータルの解説では、中小企業の場合、先進枠は3分の2以内、一般枠は2分の1以内の補助率で、上限は単年度で15億円(非化石への転換を伴う場合は20億円)とされています。下限額は100万円です。

複数の設備の更新や、生産の工程の見直しなど、事業所全体で取り組む大規模な省エネに向いています。

電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)の中身

SIIの特設サイトによると、Ⅱ型の補助率と上限は、設備を更新するか新設するかで異なります。

  • 更新・改造:2分の1以内、上限3億円(電化の事業は5億円)
  • 新設:5分の1以内、上限3億円

たとえば、重油を燃やすボイラーを、電気を使う産業ヒートポンプに替えるといった取り組みが、電化の例です。また、新設では水素燃料を活用できる設備も対象になっており、水素燃料については10%以上の混焼率で実際に稼働させることが条件とされています。

補助率の違いを金額で見ると

補助率の違いは、金額にすると大きな差になります。補助の対象になる経費が4,000万円の場合で、補助率の上限まで補助されたと仮定して計算してみます(編集部の計算。実際の補助額は審査や経費の内容で決まります)。

  • Ⅱ型で設備を更新する場合(2分の1以内):最大2,000万円
  • Ⅱ型で設備を新設する場合(5分の1以内):最大800万円
  • Ⅰ型の一般枠で中小企業が申請する場合(2分の1以内):最大2,000万円
  • Ⅰ型の先進枠で中小企業が申請する場合(3分の2以内):最大約2,667万円

同じⅡ型でも、今ある設備を更新するか、新しく設けるかで、補助の上限は2.5倍の差があります。新しい工場やラインの増設より、今ある設備の置き換えのほうが、手厚く支援される設計になっていることが分かります。

選び方の考え方

Ⅰ型が向いている場合

  • 事業所全体で、複数の設備や工程をまとめて見直したい
  • 数年にわたる計画的な省エネに取り組みたい
  • 大きな投資になり、上限額の大きい枠を使いたい

Ⅱ型が向いている場合

  • ボイラーや炉など、化石燃料を使う特定の設備を電化・燃料転換したい
  • 設備ごとに、比較的短い期間で導入したい
  • 燃料の転換によって、二酸化炭素の排出を大きく減らしたい

迷ったときは

どちらにも当てはまりそうな場合は、取り組みの範囲で考えると整理しやすくなります。「事業所全体の計画」ならⅠ型、「特定の設備の転換」ならⅡ型が基本です。電化以外の、同じ燃料のまま高効率な設備に替える更新なら、Ⅲ型の設備単位型も候補になります。

準備で気をつけたいこと

  • 省エネ・排出削減の効果を計算する:どちらの型でも、導入による効果の見積もりが必要になる
  • 電気の容量を確認する:電化によって電気の使用量が増えるため、受電設備の容量や電気料金への影響も確認する
  • 公募の期間を確認する:2026年度は、設備単位型の3次公募が9月28日まで、4次公募は10月上旬から予定されている
  • 公募要領で最終確認する:枠ごとの要件や対象設備は、公募要領で確認する

おわりに

工場・事業場型(Ⅰ型)と電化・脱炭素燃転型(Ⅱ型)の違いをまとめます。

  • Ⅰ型は事業所全体の省エネ、Ⅱ型は化石燃料の設備の電化・燃料転換が中心
  • Ⅰ型は事業所全体の計画で申請し最大4年、Ⅱ型は設備ごとに申請し最大2年
  • Ⅰ型は中小企業で補助率2分の1〜3分の2、上限15億円(非化石の転換で20億円)
  • Ⅱ型は更新で2分の1、新設で5分の1、上限3億円(電化の事業は5億円)

※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。補助率や要件は、必ずSIIの公式情報・公募要領をご確認ください。

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