太陽光+蓄電池で「在宅避難」に備える|長引く停電を自宅で乗り切るために
災害のとき、自宅が安全なら避難所へ行かずに自宅で過ごす「在宅避難」という選択肢があります。そのとき頼りになるのが電気です。太陽光と蓄電池を組み合わせると停電中に何ができるのか、備えておきたいことを整理しました。

目次
はじめに
大きな災害が起きたとき、避難所へ行くことだけが避難ではありません。自宅が安全で、住み続けられる状態であれば、自宅にとどまって過ごす「在宅避難」という選択肢もあります。
在宅避難で困りごとの原因になりやすいのが停電です。このコラムでは、太陽光発電と蓄電池を組み合わせると停電中に何ができるのか、在宅避難に備えて準備しておきたいことを整理します。なお、避難するかどうかの判断は、必ずお住まいの自治体が出す避難の情報やハザードマップに従ってください。
在宅避難と電気
在宅避難のよいところは、住み慣れた環境で、家族のペースで過ごせることです。一方で、停電が続くと、自宅での生活は一気に不便になります。
- スマートフォンの充電ができず、家族や知人と連絡が取れない
- テレビやインターネットで、災害の情報を得られない
- 冷蔵庫が止まり、食品が傷む
- 夜は照明がつかず、暗い中で過ごすことになる
- 夏や冬は、冷暖房が使えず体調を崩しやすくなる
神奈川県のホームページでは、2019年の台風第15号で県内の約14万戸が停電したことが紹介されています。停電は、決して珍しいことではありません。
太陽光だけでできること、できないこと
太陽光発電があれば、停電中でも「自立運転」に切り替えることで、昼間に発電した電気を使えます。神奈川県の案内では、スマートフォンの充電、テレビでの情報収集、照明、冷蔵庫での食品の保存などができると紹介されています。
ただし、太陽光発電だけでは次のような限界があります。
- 夜間は発電しないため、電気が使えない
- 曇りや雨の日は発電量が少なくなる
- 自立運転で使える電気には上限がある(最大1,500Wが標準的な仕様とされる)
- 多くの機種では、手動で切り替える必要がある
蓄電池を組み合わせると
太陽光発電の限界を補うのが蓄電池です。太陽光・蓄電池の情報サイト「エネマネックス」の解説では、太陽光と蓄電池を併用すると、次のような流れで長引く停電にも対応しやすくなると説明されています。
- 日中は、太陽光で発電した電気を家で使う
- 使い切れずに余った電気は、蓄電池に充電する
- 夜間や雨の日は、蓄電池にためた電気を使う
昼に発電してためる、夜にためた電気を使う、というサイクルを繰り返せれば、晴れの日が続く限り、停電が数日にわたっても電気を使い続けられる可能性があります。
天気が悪い日が続いたら
ただし、曇りや雨の日が続くと、太陽光の発電量が減り、蓄電池に十分な電気をためられなくなります。停電が長引いているときは、天気予報も見ながら、電気の使い方を調整することが大切です。
- 晴れた日の昼間に、洗濯機や電気ポットなど電気を多く使う家電をまとめて使う
- 夜は、冷蔵庫・照明・通信機器など、どうしても必要なものに絞る
- 天気の悪い日が続きそうなときは、冷暖房の使用時間を短くして、蓄電池の電気を温存する
蓄電池の残量を見ながら、「今日使ってよい電気の量」を家族で共有しておくと、長い停電でも電気を切らさずに過ごしやすくなります。
在宅避難に備えて確認したいこと
停電時にどこまで電気を使えるか
蓄電池には、停電時に家全体に電気を送れる「全負荷型」と、あらかじめ決めた一部の回路だけに送る「特定負荷型」があります。在宅避難で家の中を広く使いたいなら全負荷型、冷蔵庫や照明など最低限でよいなら特定負荷型が候補になります。
同時に使える電気の量
蓄電池の出力は、1,500W〜3,000Wが一般的とされています。冷蔵庫、照明、通信機器に加えて、エアコンや電子レンジも使いたい場合は、出力が足りるかを確認しましょう。
どれくらいの時間もつか
蓄電池で家電を動かせる時間は、「容量(Wh)÷使う家電の消費電力の合計(W)」で目安を出せます。停電時に使いたい家電を書き出して、必要な容量を考えておきましょう。
平常時にやっておきたいこと
- 停電時に使いたい家電を家族で決めておく
- 太陽光の自立運転の手順と、自立運転用コンセントの場所を確認する
- 蓄電池の停電時の動き方と、使えるコンセントや回路を確認する
- 延長コードやモバイルバッテリーを用意する
- 電気以外の備え(飲み水、食料、簡易トイレ、常備薬など)もあわせて準備する
太陽光と蓄電池は電気を確保する心強い手段ですが、在宅避難に必要なのは電気だけではありません。水や食料などの備えと組み合わせて、はじめて安心して自宅で過ごせるようになります。
おわりに
太陽光+蓄電池で在宅避難に備えるポイントをまとめます。
- 自宅が安全なら、自宅で過ごす在宅避難という選択肢がある。判断は自治体の情報に従う
- 太陽光だけでは夜や雨の日に電気を使えないが、蓄電池を組み合わせれば補える
- 昼に発電してためる、夜にためた電気を使う、というサイクルが長引く停電への備えになる
- 負荷の方式、出力、容量を確認し、平常時に使い方を練習しておく
※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。避難の判断は、必ずお住まいの自治体の情報に従ってください。