賃貸・一人暮らしでもできる再エネの一歩|設備なしで電気の「質」を選ぶ方法
太陽光パネルを付けられない賃貸住まいや一人暮らしでも、再生可能エネルギーを選ぶ方法はあります。電気の料金プランの切り替えや環境価値の証書など、設備なしでできる再エネの一歩と、選ぶときの注意点を整理しました。

目次
はじめに
「再生可能エネルギーを使いたいけれど、賃貸だから太陽光パネルは付けられない」「一人暮らしで、設備にお金をかけるのは難しい」。そんな理由で、再エネはまだ自分には関係ないと感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、設備を持たなくても、再生可能エネルギーを選ぶ方法はあります。このコラムでは、賃貸住まいや一人暮らしでもできる再エネの一歩と、選ぶときに知っておきたい注意点を整理します。
設備がなくても再エネを選べる理由
家に届く電気は、送電網の中で、火力・原子力・再生可能エネルギーなど、さまざまな発電所の電気がまざり合ったものです。どの家にも同じ電気が届いているため、電気そのものの色を選ぶことはできません。
そこで生まれたのが、電気の「環境の価値」だけを切り離して取引する仕組みです。関西電力の解説では、非化石証書を、化石燃料を使わずにつくられた電気の環境価値を証書にしたものと説明しています。この仕組みを使うと、家に届く電気は同じでも、「再生可能エネルギーの電気を使っている」とみなせるようになります。
一歩目:電気の料金プランを切り替える
最も手軽な方法は、再生可能エネルギーの環境価値を組み合わせた電気の料金プランに切り替えることです。「実質再生可能エネルギー100%」などと呼ばれるプランがこれにあたります。
- 工事や設備は不要で、申し込むだけで切り替えられる
- 賃貸住まいでも、自分で電力会社と契約している場合は切り替えられる
- 電気の品質や停電のしやすさは、切り替えても基本的に変わらない
ただし、マンションの中には、建物全体でまとめて電気を買う「一括受電」をしているところがあり、その場合は住人が電力会社を選べないことがあります。自分の部屋の電気の契約がどうなっているかを、検針票や管理会社で確認してみましょう。
二歩目:プランの中身を確かめる
「再エネ」とうたうプランでも、中身はさまざまです。選ぶときは、次の点を確認するとよいでしょう。
どの種類の証書を使っているか
非化石証書には、FIT非化石証書、非FIT非化石証書(再エネ指定)、非FIT非化石証書(再エネ指定なし)の3種類があります。関西電力の解説によると、「非化石」には再生可能エネルギーだけでなく原子力発電なども含まれます。再生可能エネルギーにこだわるなら、「再エネ指定」の証書かどうかを確認しましょう。
どこの発電所の電気か分かるか
証書には、発電所の種類や所在地などの情報(トラッキング)が付いたものがあります。地元の発電所や、特定の種類の発電所を応援したい場合は、トラッキングの情報を公開しているプランを選ぶとよいでしょう。
料金はどう変わるか
証書の分だけ、単価が少し上乗せされるプランもあります。環境への配慮と家計のバランスを考えて、料金もあわせて比べましょう。
三歩目:証書やクレジットを自分で選ぶ
料金プランを変えられない場合や、今の電力会社のまま再エネに関わりたい場合は、環境価値の証書を選ぶ方法もあります。
- グリーン電力証書:太陽光・風力・バイオマスなどの再生可能エネルギーでつくった電気の環境価値を証明する証書
- 非化石証書:化石燃料を使わずにつくった電気の環境価値を証明する証書
- J-クレジット:省エネや再エネ、森林の管理などで減らしたり吸収したりした温室効果ガスの量を、国が認証したもの
こうした証書やクレジットは、主に企業が使うものですが、個人向けに少量から扱うサービスもあります。使いたい量や目的に合わせて検討してみましょう。
いちばん身近な一歩:使う電気を減らす
再生可能エネルギーを選ぶことと同じくらい大切なのが、使う電気そのものを減らすことです。
- 照明をLEDに替える
- 冷蔵庫やエアコンの設定を見直す
- 使わない家電のコンセントを抜く、待機電力を減らす
- 新しく家電を買うときは、省エネ性能の高い製品を選ぶ
電気を使う量が減れば、電気代も二酸化炭素の排出も減ります。再エネのプランと組み合わせれば、効果はさらに大きくなります。
引っ越しのときがチャンス
賃貸住まいの方にとって、引っ越しは電気の契約を見直す絶好のタイミングです。新しい部屋で電気を使い始める手続きのときに、再エネのプランを選べば、切り替えの手間もかかりません。部屋探しの段階で、一括受電かどうかを確認しておくと、入居後に電力会社を選べるかどうかも分かります。
おわりに
賃貸・一人暮らしでもできる再エネの一歩をまとめます。
- 設備がなくても、環境価値を組み合わせた料金プランに切り替えれば再エネを選べる
- 一括受電の集合住宅では、電力会社を選べないことがある
- 「非化石」には原子力も含まれるため、再エネにこだわるなら「再エネ指定」やトラッキングを確認する
- 証書やクレジットを選ぶ方法もある
- 使う電気を減らすことも、再エネと同じくらい大切な一歩
※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。料金プランや証書の内容は電力会社・サービスによって異なるため、必ず各社の公式情報をご確認ください。