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コラム

2026年1月のSBT申請費用の改定を押さえる|中小企業への影響と準備

温室効果ガスの削減目標を国際的に認定するSBTの審査費用が、2026年1月5日以降の申請から改定されました。中小企業のルートでは、売上高500万ユーロ以上の企業が2,000ドルに引き上げられています。改定の中身と、中小企業が確認したい点を整理しました。

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窓の外に太陽光パネルのある工場が見える事務所で、作業服の男性とスーツの女性が書類を見ながら話している
目次

はじめに

取引先から削減目標を求められ、SBTの認定を検討している中小企業にとって、見逃せないのが申請の費用です。SBTの審査費用は、2026年1月5日以降の申請から改定されました。

このコラムでは、改定の中身と、これまでの費用の変化、中小企業が申請の前に確認したい点を整理します。

SBTと中小企業のルート

SBTは、企業の温室効果ガスの削減目標が、科学的な根拠にそったものであることを、国際的な団体SBTi(Science Based Targets initiative)が認定する仕組みです。

中小企業には、決められた目標の中から選ぶ、手続きを簡略にしたルートが用意されています。SBTiの定義では、Scope1とScope2の排出量の合計が1万トン未満で、従業員数250人未満、売上高5,000万ユーロ未満、総資産2,500万ユーロ未満などの条件のうち3つ以上に当てはまる企業が対象です。

2026年1月の改定の中身

中小企業のルート

解説記事によると、2026年1月5日以降の申請から、中小企業のルートの審査費用は、直近の決算の売上高によって2つに分かれました。

  • 売上高が500万ユーロ未満の企業:1,250ドル(据え置き)
  • 売上高が500万ユーロ以上の企業:2,000ドル(引き上げ)

解説記事では、500万ユーロは日本円で約8億円、2,000ドルは約30.5万円に相当すると紹介されています。つまり、中小企業のルートの対象の中でも、売上高が約8億円以上の企業は、費用が上がったことになります。

通常のルート

大企業などが使う通常のルートでも、料金の体系が見直されました。解説記事によると、これまでの2段階の区分から4段階に再編され、企業の規模や売上高に応じて、よりきめ細かく料金が設定されています。

これまでの費用の変化

中小企業のルートの費用は、段階的に見直されてきました。

  • 2024年1月:SBTiの発表により、審査費用が1,000ドルから1,250ドルに引き上げ
  • 2026年1月:売上高500万ユーロ以上の企業は2,000ドルに引き上げ、500万ユーロ未満は1,250ドルのまま

なお、SBTiの発表では、国連の定義による開発途上国などにある売上高1,000万ドル未満の中小企業は、費用が免除される仕組みも示されています。

短期の目標とネットゼロの目標

中小企業のルートでは、2030年度までの短期の目標のほかに、2050年までのネットゼロ(排出の実質ゼロ)の目標も申請できます。解説記事によると、それぞれに費用がかかり、両方を申請する場合の合計は2,500〜3,500ドルと紹介されています。

  • 短期の目標のみ:1,250〜2,000ドル
  • ネットゼロの目標のみ:1,250〜2,000ドル
  • 両方:2,500〜3,500ドル

申請の流れと支払いのタイミング

解説記事によると、中小企業のルートの申請は、おおむね次の順番で進みます。

  • 申請のフォームに必要な事項を記入する
  • SBTiが内容を審査する
  • 費用を支払う
  • 支払いが確認される
  • 認定が公表される

費用の支払いは、内容の審査のあとに行う流れになっています。申請の前に、基準年度の排出量など、フォームに記入する情報を正確にそろえておくことが大切です。

費用をどう考えるか

費用が上がったとはいえ、中小企業のルートの費用は、数十万円規模です。これを高いと見るか安いと見るかは、取引先との関係や、自社の脱炭素の取り組みの状況によって変わります。

  • 取引先から認定の取得を求められている、または取引の条件になりそうか
  • 認定を取ることで、新しい取引先の開拓や入札などで評価されるか
  • 目標を達成するための省エネや再エネの投資を、いつ、どれくらい行えるか

費用だけでなく、認定を取ったあとの削減の取り組みまで含めて、自社にとっての価値を考えましょう。

中小企業が確認したいこと

自社の売上高がどちらの区分か

費用は、直近の決算の売上高で決まります。売上高がユーロで500万ユーロを超えるかどうかを確認しましょう。為替の水準によって円での境目は変わるため、決算の時期の為替も意識しておくと安心です。

どの目標を申請するか

短期の目標だけにするか、ネットゼロの目標もあわせて申請するかで、費用が変わります。取引先から求められている内容を確認して決めましょう。

費用以外の準備

費用は数十万円規模ですが、それ以上に大切なのが、基準にする年度の排出量のデータをそろえ、目標を達成する計画を立てることです。認定を取ったあとは、目標に向けて削減を進める必要があります。

申請のタイミング

今後も費用が見直される可能性があります。取得を決めたら、社内の準備を進め、計画的に申請しましょう。

おわりに

2026年1月のSBT申請費用の改定について、ポイントをまとめます。

  • 2026年1月5日以降の申請から、審査費用が改定された
  • 中小企業のルートは、売上高500万ユーロ未満が1,250ドルのまま、500万ユーロ以上が2,000ドルに
  • 通常のルートは、2段階から4段階の料金体系に再編された
  • 短期とネットゼロの両方を申請すると、合計2,500〜3,500ドル
  • 自社の売上高の区分と、申請する目標を確認して、計画的に準備する

※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。費用や基準は変更される場合があるため、必ずSBTiの公式情報をご確認ください。

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