買取価格が10年で半分以下に。卒FIT後の選択肢
住宅用太陽光のFIT買取価格は2012年度の42円/kWhから大きく下がり、卒FIT後の売電単価は7〜14.6円/kWh程度。売電単価の下落と、自家消費・蓄電池など「次の一手」を家庭向けに整理します。

目次
この記事のポイント
住宅用太陽光(10kW未満)のFIT買取価格は、2012年度の42円/kWhから下がり続け、近年は16円/kWh前後。この10年ほどで半分以下になりました。さらに、FITの買取期間(10年)が終わった「卒FIT」世帯では、そのまま余剰を売っても7〜14.6円/kWh程度(相対取引)にとどまります。この記事では、売電単価の下落と、卒FIT後の「次の一手」を家庭向けに整理します。
買取価格はどれだけ下がったか
住宅用(10kW未満)の主な推移です(資源エネルギー庁などの公表値より)。
- 2009年度(余剰電力買取制度):48円/kWh
- 2012年度(FIT開始):42円/kWh
- 2016年度:31〜33円/kWh
- 2019年度:24〜26円/kWh(このころ初めて「買う電気の単価」を下回る)
- 2022年度:17円/kWh
- 2024年度:16円/kWh
- 2025年10月〜(新制度):初期4年間 24円/kWh + その後6年間 8.3円/kWh の二段階
2012年度の42円と2022年度の17円を比べると、10年で4割ほどの水準です。「長く高く売る」時代から、「早く回収して、あとは自分で使う」時代に変わりました。
卒FITとは
- FITの買取期間は10年間です。2009年11月に余剰買取制度で始めた住宅用は、2019年11月から順に期間が満了し、「卒FIT」になっています。
- 以降、毎年秋ごろに新たな卒FIT世帯が生まれています。
- 卒FIT後は、契約が自動で切り替わるわけではなく、「売電先を選び直す」必要があります。何もしないと、旧FIT事業者の卒FIT向け単価(低め)で買い取られることが多いです。
卒FIT後の売電単価
出典記事(ENECHANGE、2026年1月時点のエリア別比較)では、卒FIT後にそのまま余剰を売る場合の単価は、電力会社・エリアによっておおむね7〜14.6円/kWhです。FIT時代の42円や48円と比べると大きく下がるため、「売る」だけを前提にした使い方は見直しどきです。
卒FIT後の選択肢(次の一手)
① 売電先を比較して乗り換える
- 手間が少なく、設備投資も不要。
- 各社の卒FIT向けプランを、単価だけでなくポイント・電気とのセット割まで含めて比較します。
② 自家消費を増やす
- 昼間に洗濯・食洗機・給湯(エコキュートの昼シフト)などを寄せる。
- 「売る(7〜15円)」より「買う電気を減らす(30円前後〜)」ほうが得、という発想の切り替えがポイントです。
③ 蓄電池を導入する
- 昼の余剰をためて、夕方〜夜に使う。自家消費率を大きく引き上げられます。
- 導入費用と、実際に減る電気代・売電減少分のバランスを試算してから判断します。
④ EV・V2Hを活用する
- クルマを大きな蓄電池として使い、昼の余剰を充電、夜や停電時に自宅へ給電。
- すでにEVがある、または導入予定の家庭では有力な選択肢です。
今から準備できること
- 卒FITが近い家庭は、1年前くらいから「昼に電気を使う生活への切り替え」「蓄電池・EVの検討」「売電先の比較」を始めておくとスムーズです。
- まずは自宅のパワコン・モニターで、「発電量」「自家消費している量」「売っている量」を把握するところから。
- パネルやパワコンの劣化・保証期間も確認し、必要ならメンテナンス計画も立てておきます。
出典
- ENECHANGE「卒FIT後の売電価格・売電先の比較」 https://enechange.jp/articles/fit-purchase-price-2019
FIT買取価格の年度別数値は資源エネルギー庁などの公表値に基づく概数です。卒FIT後の売電単価は出典記事の2026年1月時点の比較によります。実際の単価・契約条件は電力会社やエリアによって異なります。