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コラム

太陽光でJ-クレジットをつくる|対象になる電気と価値の考え方

太陽光発電で減らした二酸化炭素は、J-クレジットにできる場合があります。ただし対象は原則として自分で使った電気の分で、売った電気は含まれません。対象になる範囲、価値の計算のしかた、最近の価格、参加しやすい仕組みを整理しました。

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屋根に太陽光パネルを載せた住宅。大きな窓から明るいキッチンとダイニングが見える
目次

はじめに

太陽光発電は、電気代を減らすだけでなく、二酸化炭素の排出を減らす設備でもあります。その減らした量を、国が認証する「J-クレジット」にして、価値に変えられる場合があります。

ただし、「発電した電気がすべてクレジットになる」わけではありません。対象になる範囲を正しく知らないと、得られる価値を大きく見積もってしまいます。このコラムでは、太陽光のJ-クレジットで対象になる電気、価値の計算のしかた、最近の価格、そして個人や小さな事業者が参加しやすい仕組みを整理します。

太陽光とJ-クレジット

J-クレジットは、省エネ設備や再生可能エネルギーの導入などで減らした温室効果ガスの量を、国が「クレジット」として認証する制度です。経済産業省・環境省・農林水産省が運営しています。

太陽光発電の場合は、「太陽光発電設備の導入」という方法論(EN-R-002)にもとづいて削減量を計算します。太陽光でつくった電気を使うと、その分だけ電力会社から買う電気(系統電力)が減り、発電所で出るはずだった二酸化炭素が減ったと考えます。

対象は「自分で使った電気」の分

ここが最も大切なポイントです。解説記事によると、方法論EN-R-002は、原則として自家消費による排出の削減を対象としています。発電した電気のうち、電力会社に売った電気など、他者に提供した電気は対象になりません。

つまり、同じ太陽光でも、次のように考える必要があります。

  • 自分で使った電気:クレジットの対象になりうる
  • 電力会社に売った電気:クレジットの対象にならない

売電の多い家庭では、発電量のすべてで計算すると、クレジットの量を大きく見積もってしまいます。昼間に家にいて電気を多く使う家庭や、蓄電池で昼の電気をためて夜に使う家庭ほど、自家消費の割合が高くなり、クレジットの対象になる量も増えます。

また、解説記事によると、家庭の太陽光では、中古の設備や、リース契約にもとづいて費用を負担する設備は対象から除かれます。

価値の計算のしかた

クレジットの価値は、おおむね次の掛け算で考えます。

  • 削減量 = 自家消費した電気の量 × 電気1kWhあたりの排出係数
  • クレジットの価値 = 削減量 × クレジットの単価

計算に使う排出係数は、方法論や年度の規定で決まります。

計算例

すべて仮定の数字で、考え方を示すための例です(編集部の計算)。

  • 太陽光の容量:6kW
  • 年間の発電量:1kWあたり1,100kWhとして6,600kWh
  • 自家消費の割合:30%として1,980kWh
  • 排出係数:電気1kWhあたり0.4kgとして、削減量は約790kg(約0.79トン)
  • 単価:1トンあたり4,850円として、年間約3,800円

もし発電量のすべて(6,600kWh)で計算すると、削減量は約2.6トン、価値は約12,800円になり、自家消費の割合が30%の場合と比べて3倍以上に膨らみます。対象の範囲を正しく押さえることが、いかに大切かが分かります。

最近のクレジットの価格

Carbonlink Researchの解説によると、再生可能エネルギー(電力)由来のJ-クレジットの価格は、2025年2月に1トンあたり6,600円のピークをつけたあと調整し、2026年9月24日時点では4,850円とされています。排出量取引制度(GX-ETS)でクレジットが使えることなどから需要が伸びる一方、新しいクレジットが出てくるまでには時間がかかるため、価格は2023年ごろより高い水準にあります。

ただし、価格は取引によって変わります。また、家庭や小さな事業者がプログラム型で参加する場合は、手数料などが差し引かれるため、クレジットの売値がそのまま受け取れるわけではありません。

小さな設備でも参加できる仕組み

家庭や小さな事業所の太陽光は、1件あたりの削減量が小さく、単独でクレジットにするのは手続きの費用や手間に見合いません。そこで使われるのが、多くの削減をまとめる「プログラム型」の仕組みです。

GX LAB を運営するFit Founderは、2025年10月にJ-クレジットの創出・販売を手がけるバイウィルと業務連携契約を結び、太陽光発電設備の導入によるJ-クレジット創出プロジェクト「そらいろラボ」への参加を案内・サポートしています。つくられたクレジットはバイウィルが中心となって企業に販売し、その収益は自治体の防災・災害対策への充当や寄付に使う予定です。詳しくは「Fit Founder、カーボンニュートラル社会の達成に向けてバイウィルと連携」をご覧ください。太陽光・蓄電池の導入の事例は、GX LAB の施工事例でも紹介しています。

参加を考えるときのポイント

  • 対象になるのは原則として自家消費の分。売電の多い家庭は、期待する価値を控えめに見積もる
  • 試算を見るときは、自家消費の割合・排出係数・単価の前提を確認する
  • 手数料や収益の分け方、手続きの負担を確認する
  • 中古の設備やリースの設備は対象外になる場合がある

おわりに

太陽光でJ-クレジットをつくるときのポイントをまとめます。

  • 太陽光のJ-クレジットは、原則として自家消費した電気による削減が対象で、売電分は含まれない
  • 価値は「自家消費した電気×排出係数×単価」で考える
  • 再エネ(電力)由来の価格は、2026年9月時点で1トンあたり5,000円前後
  • 経済的なメリットの中心は電気代の削減で、クレジットは上乗せの価値と考えるのが現実的

※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。

※ 本記事の計算例は仮定の数字による試算です。実際の対象範囲・排出係数・価格は、参加するプロジェクトの規程や取引によって異なります。

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