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コラム

取引先から「再エネを使っていますか」と聞かれたら|中小企業の最初の一歩

大企業が取引先にも脱炭素を求める動きが広がり、中小企業にも「再エネを使っていますか」「CO2排出量は」といった質問が届くようになっています。なぜ聞かれるのか、まず何から始めればよいか、回答と再エネの導入の進め方を整理しました。

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窓の外に太陽光パネルのある工場が見える会議室で、作業服の男性と女性がノートパソコンを前に話している
目次

はじめに

「御社では再生可能エネルギーを使っていますか」「年間のCO2排出量を教えてください」。こうした質問が、取引先から届くようになった中小企業が増えています。

突然の質問に、「何を答えればいいのか」「うちのような規模でも対応が必要なのか」と戸惑う方も多いでしょう。このコラムでは、なぜ取引先がこうした質問をするのかを整理したうえで、中小企業が最初に取り組みたいことと、再エネの導入の進め方を紹介します。

なぜ取引先は聞いてくるのか

背景にあるのは、大企業が自社だけでなく、取引先を含めた「サプライチェーン全体」の排出を減らそうとしていることです。

環境省は、企業の温室効果ガスの排出を次の3つに分けて説明しています。

  • Scope1:自社で燃料を燃やすなどして直接出す排出
  • Scope2:他社から買った電気や熱を使うことによる間接的な排出
  • Scope3:Scope1・2以外の間接的な排出(取引先など、事業に関わる他社の排出)

大企業にとって、取引先である中小企業の排出は、自社の「Scope3」にあたります。大企業が自社の排出を減らそうとすると、取引先の排出も減らしてもらう必要があるのです。解説記事では、大企業が国際的な枠組みの中で、取引先にも削減目標を持ってもらう目標を掲げる例も多いと紹介されています。

開示のルールも広がっている

解説記事によると、東京証券取引所のプライム市場に上場する企業には、2027年3月期から、国際的な基準にそったサステナビリティ情報の開示が順次義務付けられる予定です。自社が開示の対象でなくても、取引先の大企業から排出量の把握や削減を求められる可能性は、今後さらに高まると考えられます。

質問は1回で終わらない

解説記事では、取引先からの質問票は「CO2排出量を教えてください」だけでなく、「削減目標はありますか」「進捗はどうですか」と、踏み込んだ内容になっていることが多いと指摘されています。一度答えて終わりではなく、継続的なやり取りになると考えておいたほうがよいでしょう。

最初の一歩:自社の排出を知る

質問に答えるにも、再エネを導入するにも、まずは自社の排出を知ることから始まります。中小企業の場合、多くは電気と燃料の使用が中心なので、次の手順で始めると取り組みやすくなります。

  • 電気の使用量を集める:電力会社の請求書から、月ごとの使用量(kWh)を1年分集める
  • 燃料の使用量を集める:ガス、灯油、ガソリン、軽油などの使用量を集める
  • 排出量に換算する:使用量に、それぞれの排出係数をかけて二酸化炭素の量を計算する

環境省も、排出量は「活動量(使用量など)」と「排出原単位(係数)」から算定すると説明しています。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは1年分の数字をそろえることが大切です。

再エネの導入の選択肢

電気の使用による排出(Scope2)を減らす方法として、主に次のような選択肢があります。

  • 再エネのプランに切り替える:電力会社の再エネや実質再エネのプランに切り替える。工事が不要で、すぐに始められる
  • 自社の屋根に太陽光を付ける:つくった電気を自社で使えば、電気代と排出の両方を減らせる
  • 証書やクレジットを使う:非化石証書やJ-クレジットなどで、環境価値を調達する

屋根に太陽光を付ける方法は、初期費用がかかる一方で、電気代の削減という経済的なメリットも得られます。GX LAB を運営するFit Founderも、個人の家庭用だけでなく事業用の太陽光・蓄電池を扱っており、導入した法人に太陽光由来のJ-クレジットの創出プロジェクトへの参加も案内しています(バイウィルとの連携についてのニュース)。

取引先への答え方

質問票に答えるときは、次の点を意識すると、やり取りが進めやすくなります。

  • 今の状況を正直に答える:まだ取り組んでいない項目は、その旨と今後の予定を伝える
  • 数字の根拠を示す:どの期間の、何の使用量をもとに計算したかを添える
  • 今後の計画を示す:再エネの導入や省エネの予定があれば、時期とあわせて伝える
  • 担当者と記録を決めておく:毎年聞かれることを見越して、社内の担当者を決め、計算に使った請求書などの記録を保管しておく

取引先が求めているのは、今すぐ完璧な数字ではなく、取り組みを進めていく姿勢であることも少なくありません。まずは現状を把握し、できることから始めましょう。

おわりに

取引先から再エネや排出量について聞かれたときのポイントをまとめます。

  • 大企業は取引先を含めたサプライチェーン全体の排出(Scope3)を減らそうとしている
  • 質問は1回で終わらず、目標や進捗まで聞かれる継続的なやり取りになりやすい
  • 最初の一歩は、電気と燃料の使用量を集めて自社の排出を知ること
  • 再エネは、プランの切り替え、屋根の太陽光、証書やクレジットなどから選べる

※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。制度の詳細は、環境省などの公式情報をご確認ください。

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