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コラム

法人の電気料金、削減の考え方|料金の仕組みから見る4つの打ち手

法人の電気料金は、基本料金と電力量料金で下げ方が違います。高圧の契約電力が過去1年の最大需要電力で決まる仕組み、力率による割引、単価と使用量の見直し、自家消費の太陽光まで、料金の仕組みから削減の打ち手を整理しました。

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法人の電気料金、削減の考え方|料金の仕組みから見る4つの打ち手
目次

はじめに

電気料金の高止まりが続くなか、「うちの会社の電気代をどう下げればいいのか」と悩む経営者や担当者の方は多いのではないでしょうか。

法人の電気料金、とくに工場やビル、店舗などで多い「高圧」の契約は、家庭の電気料金とは仕組みが大きく違います。仕組みを知らないまま節電に取り組んでも、思ったほど料金が下がらないことがあります。このコラムでは、高圧の電気料金の仕組みを押さえたうえで、削減の打ち手を整理します。

電気料金は「基本料金」と「電力量料金」で考える

高圧の電気料金は、大きく次の3つで構成されています。

  • 基本料金:契約電力に応じて毎月かかる料金
  • 電力量料金:使った電気の量に応じてかかる料金(燃料費調整額を含む)
  • 再生可能エネルギー発電促進賦課金:使った電気の量に応じて全員が負担する料金

削減を考えるときに大切なのは、基本料金と電力量料金では、下げ方がまったく違うという点です。

基本料金は「最も使った30分」で決まる

関西電力の解説によると、高圧の基本料金は「基本料金単価×契約電力×力率による割引・割増」で計算します。

契約電力の決まり方

契約電力が500kW未満の場合は、実際の使い方によって契約電力が決まる「実量制」が一般的です。出光興産の解説では、30分ごとの平均の使用電力(デマンド値)のうち、月の中で最も高い数値を「最大需要電力」と呼び、当月を含む直近12か月の最大需要電力のうち最も大きい値が契約電力になるとされています。なお、500kW以上の場合は、電力会社との協議で決まる「協議制」です。

つまり、1年のうちのたった30分でも電気を多く使うと、その後1年間の基本料金が高いままになる可能性があります。

力率による割引・割増

力率とは、送られてきた電気を、どれだけ効率よく使えているかを表す数字です。関西電力の解説によると、力率が85%を上回ると、上回る1%ごとに基本料金が1%割り引かれ、下回ると1%ごとに割り増しされます。

計算例で見る基本料金

仮に、基本料金単価を1kWあたり1,800円、契約電力を200kW、力率を95%とすると、次のようになります(仮定の数字による編集部の計算)。

  • 力率による係数:(185−95)÷100=0.9
  • 基本料金:1,800円×200kW×0.9=月324,000円

このとき、ピークを抑えて契約電力を180kWに下げられれば、基本料金は月291,600円となり、月32,400円、年間で約39万円の差になります。

削減の打ち手1:ピークを抑えて契約電力を下げる

基本料金を下げる最も直接的な方法は、最大需要電力を抑えることです。

  • 始業時に多くの設備を一斉に動かさず、時間をずらして立ち上げる
  • 空調の設定や運転の順番を工夫する
  • デマンドの監視装置で、ピークに近づいたら知らせる仕組みをつくる

実量制では、ピークを一度抑えただけではすぐに契約電力は下がりません。過去12か月の最大値で決まるため、1年を通して抑え続けることが大切です。

削減の打ち手2:力率を改善する

関西電力の解説では、力率の改善にはコンデンサの設置が効果的とされています。まずは電気料金の明細で、自社の力率が何%になっているかを確認しましょう。

削減の打ち手3:使う量を減らす

電力量料金と再エネ賦課金は、使った電気の量に比例します。照明のLED化、高効率な空調や設備への更新、使っていない設備の停止など、使う量そのものを減らす取り組みは、どちらの料金にも効きます。設備の更新には、国の省エネの補助金を使える場合もあります。

削減の打ち手4:電気の買い方を見直す

電力量料金の単価は、電力会社や契約の内容によって変わります。電力会社の見直しや、市場の価格に連動するプランと固定の価格のプランの比較も打ち手の1つです。ただし、単価の安さだけでなく、燃料費の変動や市場の価格の変動をどれだけ受けるかという「リスク」もあわせて比べることが大切です。

また、屋根などに太陽光発電を置いて、つくった電気を自社で使えば、電力会社から買う電気の量そのものを減らせます。昼間に電気を多く使う事業所ほど、効果が出やすくなります。

新しく加わった負担にも目を向ける

電気料金には、2024年度から新しく加わった負担もあります。それが、電力の供給力を確保するための「容量拠出金」です。仕組みは、GX LAB の「容量市場とは?「将来発電できる力」に値段がつく仕組み」で解説しています。容量拠出金は、小売電気事業者を通じて電気料金に反映されることがあります。自社の契約で、容量拠出金に相当する費用がどのように請求されるかを、電力会社に確認しておくと安心です。

おわりに

法人の電気料金の削減の考え方をまとめます。

  • 高圧の電気料金は、基本料金と電力量料金で下げ方が違う
  • 基本料金は、直近12か月で最も使った30分(最大需要電力)と力率で決まる
  • ピークを1年を通して抑える、力率を改善する、使う量を減らす、買い方を見直す、の4つが打ち手
  • 自家消費の太陽光は、買う電気の量そのものを減らす方法

※ 本記事の計算例は仮定の数字による試算です。実際の料金は、電力会社との契約の内容や明細でご確認ください。

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