GX LAB
コラム

容量拠出金、法人ができる対策|請求の仕組みを確かめる3つのポイント

2024年度から始まった容量拠出金は、電力会社を通じて法人の電気料金に反映されることがあります。反映のしかたは電力会社によって違い、請求書に項目がないこともあります。契約での確かめ方と、ピークを抑えるなど法人がとれる対策を整理しました。

Share
容量拠出金、法人ができる対策|請求の仕組みを確かめる3つのポイント
目次

はじめに

2024年度から、法人の電気料金の請求書に「容量拠出金」や「容量拠出金相当額」という項目が加わった、という企業は多いのではないでしょうか。一方で、項目が見当たらないため、自社が負担しているのかどうか分からないという声もあります。

容量拠出金は、仕組みを知っておくと、契約の見直しや電気の使い方の工夫で、影響を抑えられる余地があります。このコラムでは、容量拠出金が法人の電気料金にどう反映されるのかを確かめるポイントと、法人がとれる対策を整理します。

容量拠出金とは

容量拠出金は、将来にわたって必要な電気の供給力を確保するための「容量市場」という仕組みの費用です。電力広域的運営推進機関(広域機関)の解説によると、広域機関が発電所などの供給力に対価を支払い、その原資を「容量拠出金」として、小売電気事業者や一般送配電事業者などに請求します。小売電気事業者への請求は、2024年度から始まりました。

容量市場の仕組みそのものは、GX LAB の「容量市場とは?「将来発電できる力」に値段がつく仕組み」で解説しています。

ポイント1:小売の負担は「ピーク時のシェア」で決まる

広域機関の解説では、小売電気事業者が負担する容量拠出金は、年間のピーク時の需要(kW)のシェアなどに応じて決まります。4月から9月分は夏のピーク(7〜9月)の実績、10月から3月分は冬のピーク(12〜2月)の実績が基準です。

つまり、容量拠出金の原価は、電気を「どれだけ使ったか(kWh)」よりも、「ピークのときにどれだけ使っていたか(kW)」に結びついています。

ポイント2:料金への反映のしかたは電力会社によって違う

広域機関の解説によると、容量拠出金を電気料金に反映させるかどうかは、それぞれの小売電気事業者の判断です。電力アドバイザーズの解説では、反映のしかたには主に次の3つがあるとされています。

  • 別の項目として請求する:「容量拠出金反映額」などの項目で、請求書に記載する
  • 電力量料金の単価に組み込む:1kWhあたりの単価に含め、別の項目として表示しない
  • 基本料金に組み込む:基本料金に含めて回収する

請求書に容量拠出金の項目がないからといって、負担していないとは限りません。単価に組み込まれている可能性もあります。

ポイント3:計算の方式は「kWh」と「kW」がある

別の項目として請求される場合も、計算の方式は電力会社によって違います。同じ解説では、次の2つの方式が紹介されています。

  • kWh方式:使用電力量(kWh)×容量拠出金の単価(円/kWh)
  • kW方式:契約電力(kW)×容量拠出金の単価(円/kW)

どちらの方式かによって、効きやすい対策が変わります。また、電気の使い方の形によって、どちらの方式が有利かも変わります。たとえば、短い時間だけ大きな電気を使い、ふだんの使用量は少ない事業所では、契約電力に比べて使用電力量が小さいため、kW方式のほうが負担が重くなりやすいと考えられます。反対に、一日中ほぼ一定の電気を使う工場などでは、kWh方式のほうが負担が重くなりやすいと考えられます。自社の使い方の形を知っておくことが、契約を選ぶときの手がかりになります。

法人がとれる対策

1. 契約の条件を確かめる

まずは、今の電力会社との契約で、容量拠出金がどのように扱われているかを確認しましょう。

  • 容量拠出金は、別の項目で請求されているか、単価や基本料金に組み込まれているか
  • 計算はkWh方式か、kW方式か
  • どの年度の単価を使っているか。翌年度に条件が変わる予定はあるか

2. 見積もりは「同じ条件」で比べる

電力会社を比べるときは、容量拠出金の扱いをそろえて比べることが大切です。容量拠出金を別の項目で請求する会社と、単価に組み込んでいる会社では、表面上の単価の見え方が違います。容量拠出金を含めた、年間の総額で比べましょう。

3. ピークを抑える

kW方式で請求される場合や、基本料金に組み込まれている場合は、契約電力を下げることが容量拠出金の負担を減らすことにもつながります。高圧の実量制では、契約電力は直近12か月の最大需要電力で決まるため、ピークを1年を通して抑える取り組みが効きます。

4. 使う量を減らす・自家消費を増やす

kWh方式で請求される場合や、電力量料金の単価に組み込まれている場合は、電力会社から買う電気の量を減らすことが対策になります。省エネの設備への更新に加え、屋根の太陽光で自家消費を増やすことも、買う電気の量を減らす方法です。

おわりに

容量拠出金について、法人ができる対策をまとめます。

  • 容量拠出金は2024年度から始まった、供給力を確保するための費用。料金への反映は電力会社の判断
  • 反映のしかたは、別の項目・単価への組み込み・基本料金への組み込みの3通り。項目がなくても負担している場合がある
  • 計算の方式がkWh方式かkW方式かで、効きやすい対策が変わる
  • 契約の確認、同じ条件での見積もりの比較、ピークの抑制、買う電気の削減の4つが打ち手

※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。容量拠出金の扱いは電力会社や契約によって異なるため、必ず契約先にご確認ください。

Share