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コラム

EV×太陽光×V2Hで電気代はどう変わる?試算例から見る効果と限界

電気自動車・太陽光・V2Hの3点を組み合わせると、電気代やガソリン代はどれくらい変わるのか。シミュレーションサービスの試算例をもとに、効果が出やすい条件と、期待しすぎないほうがよい点を整理しました。

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太陽光発電のある住宅でV2Hに接続された電気自動車
目次

はじめに

電気自動車(EV)、太陽光発電、そしてEVと家をつなぐ「V2H」。この3つをそろえると、家庭の電気代やガソリン代はどれくらい変わるのでしょうか。

EVの電池は、家庭用の蓄電池と比べて大きな容量を持っています。V2Hを使えば、太陽光でつくった電気をEVにためて走行に使ったり、夜に家で使ったりできます。このコラムでは、太陽光・蓄電池・EVの経済効果を試算するサービス「エネがえる」が公開しているシミュレーション結果をもとに、3点セットの効果と限界を整理します。

3点セットで何が変わるのか

太陽光発電だけの場合、昼間に使いきれなかった電気は、電力会社に安い単価で売ることになります。EVとV2Hがあれば、この電気を売らずにEVにためておき、次のように使えます。

  • 走行に使う:ガソリン車からEVに切り替えることで、ガソリン代がかからなくなる
  • 夜に家で使う:EVにためた電気を家で使えば、夜に電力会社から買う電気を減らせる
  • 停電に備える:停電のときも、EVの電池から家に電気を送れる

つまり、3点セットの効果は「電気代の削減」だけでなく、「ガソリン代の削減」もあわせて考える必要があります。

試算の前提条件

エネがえるのシミュレーションは、次のような条件で行われています。

  • 太陽光発電:6kW
  • 定置型の蓄電池:4.9kWh(V2Hとあわせて使う機器構成)
  • EV:日産アリア B6 リミテッド、年間12,000km走行
  • 家庭の電気使用量:月600kWh
  • 電気料金の上昇率:年2%
  • 売電単価:16円/kWh(2023年度)
  • 比較するガソリン車:燃費15km/L、ガソリン代169.5円/L

売電単価やガソリン価格は2023年時点の条件です。2026年の実際の価格とは異なるため、金額はあくまで目安として見てください。

たとえば売電単価は、2026年度に新しく住宅用の太陽光(10kW未満)を始める場合、最初の4年間が24円/kWh、5年目から10年目までが8.3円/kWhという2段階の仕組みになっています。すでに10年間の買取期間を終えた「卒FIT」の家庭では、電力会社との個別の契約になり、大手電力会社では7〜8円/kWh台が中心とされています。売電単価が低い家庭ほど、電気を売るより、EVにためて自分で使うことの価値は大きくなります。

試算の結果

東京電力エリアで、ガソリン代の削減なども含めた10年間の経済効果は次のように試算されています。

太陽光の容量別

  • 2kW:約233万円
  • 6kW:約295万円
  • 10kW:約304万円

2kWから6kWに増やすと効果は大きく伸びますが、6kWから10kWに増やしても伸びはわずかです。容量を大きくするほど得になる、というわけではありません。

蓄電池の容量別

  • 4.9kWh:約295万円
  • 9.9kWh以上:約300万円

定置型の蓄電池を大きくしても、効果はほとんど変わりませんでした。出典では、EVが蓄電池の役割を果たすため、定置型の蓄電池は特別に大きな容量を選ばなくてもよいと指摘されています。

地域による違い

同じシミュレーションでは、地域によっても効果に差が出ており、比較した地域の中では沖縄電力エリアが最も大きくなりました。住んでいる地域によって効果が変わる点も、検討の際に押さえておきたいポイントです。

期待しすぎないほうがよい点

3点セットには大きな効果が見込める一方で、出典では「電気代を完全に0円にすることは難しく、多少の電気代がかかってくる」とも指摘されています。

  • EVが家にいない時間は使えない:EVで出かけている間は、EVの電池を家で使えません。昼間に車で外出することが多い家庭では、太陽光の電気をEVにためにくくなります
  • 初期費用がかかる:太陽光、V2H、EVのそれぞれに費用がかかります。経済効果は、これらの費用と比べて判断する必要があります
  • 条件で結果が大きく変わる:走行距離、生活パターン、電気料金プランによって効果は変わります

自分の家で考えるときのポイント

3点セットの効果を自分の家に当てはめて考えるときは、次の点を整理しておくと検討しやすくなります。

  • 年間の走行距離と、車を使う時間帯
  • 月々の電気の使用量と、よく使う時間帯
  • 太陽光を設置できる屋根の広さ
  • 停電への備えをどの程度重視するか

太陽光でつくった電気を売るより自分で使うほうが得になりやすい背景は、GX LAB の「“売る”より“使う”へ。自家消費という発想転換」で解説しています。

おわりに

EV×太陽光×V2Hの3点セットについて、試算から分かることをまとめます。

  • 効果は電気代の削減に加え、ガソリン代の削減も大きい
  • 試算例(東京、6kW)では10年間で約295万円の経済効果
  • 太陽光や定置型の蓄電池は、大きくするほど効果が伸びるわけではない
  • 電気代を完全に0円にするのは難しく、生活パターンによって効果は変わる

実際の効果は家庭ごとに異なります。導入を検討する際は、自分の家の条件でシミュレーションしてもらうことをおすすめします。


※ 本記事の金額は、2023年時点の条件に基づくシミュレーションの試算例です。実際の効果は、機器・価格・地域・生活パターンによって異なります。

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