GX LAB
コラム

太陽光は自分で買うかPPAか|家庭ではどちらが得?7つの軸で比べる

家庭で太陽光を付ける方法には、自分で買う「購入」と、事業者が設置して電気を買う「PPA」があります。初期費用、毎月の支払い、売電の収入、補助金、維持管理、自由度、契約後の扱いの7つの軸で比べ、どんな家庭にどちらが向くかを整理しました。

公開日
Share
屋根に太陽光パネルを載せた2棟の戸建て住宅が並ぶ住宅街
目次

はじめに

家庭で太陽光発電を始める方法は、大きく2つあります。自分でパネルを買って設置する「購入」と、事業者が屋根にパネルを設置し、家庭はつくられた電気を買う「PPA」です。PPAは初期費用がかからないため「0円ソーラー」とも呼ばれます。

「結局、どちらが得なのか」は、多くの人が迷うところです。このコラムでは、7つの軸で購入とPPAを比べ、どんな家庭にどちらが向いているかを整理します。

比べる7つの軸

1. 初期費用

  • 購入:パネルと工事の費用を自分で払う。見積もりサイトのソーラーパートナーズの調査では、2025年の住宅用太陽光の平均は容量5kWで約131.9万円(税込)
  • PPA:初期費用はかからない

初期費用の差は、PPAの最大の魅力です。

2. 毎月の支払い

  • 購入:自分でつくった電気を使う分には、電気代はかからない
  • PPA:屋根のパネルでつくられて使った電気の代金を、事業者に払う。解説記事では、単価は1kWhあたり22〜30円程度の例が紹介されている

購入は「最初に払って、あとは払わない」、PPAは「最初は払わず、使うたびに払う」という違いです。

3. 売電の収入

  • 購入:使いきれずに余った電気を売った収入は、自分のものになる。2026年度に新しく始める住宅用の太陽光は、最初の4年間が1kWhあたり24円、5年目から10年目までが8.3円で買い取られる
  • PPA:余った電気の売電収入は、事業者が受け取る契約が多いとされる

4. 補助金

  • 購入:自治体の補助金などを、自分で受け取れる場合がある
  • PPA:解説記事によると、多くの場合は事業者が受け取る

5. 維持管理

  • 購入:点検や修理は自分で手配し、費用も自分で負担する
  • PPA:契約期間中は、事業者が設備を管理するのが一般的

6. 自由度

  • 購入:屋根の工事や家の売却のときも、自分の判断で進められる
  • PPA:契約期間中は設備が事業者のもの。屋根の工事には許可や立ち会いが必要になり、家の売却や引っ越しで契約を引き継がない場合は解約金がかかる

7. 契約期間が終わったあと

  • 購入:ずっと自分の設備
  • PPA:10年・15年などの契約が終わると、譲渡・撤去・再契約のいずれか。無償で譲渡されることが多いが、条件は契約書で確認が必要

第3の選択肢:月額定額の「定額制」

初期費用ゼロで太陽光を付ける方法には、使った電気の量で払うPPAのほかに、毎月決まった金額を払う「定額制」のサービス(定額制PPAやリース)もあります。解説記事では、公式の資料で確認できる例として、次のようなサービスが紹介されています。

  • シャープエネルギーソリューション「COCORO POWER」:契約期間15年。月額はガス併用住宅向けが3,960円、オール電化住宅向けが4,950円(いずれも税込)。契約が終わると設備は無償で譲渡される
  • ソーラーフロンティア「エネすく」:契約期間は太陽光のみで10年、蓄電池やV2Hもあわせて使う場合は15年。月額定額で、保証・保険・定期点検を含む
  • TEPCOホームテック「エネカリ」:契約期間10年または15年。月額定額で、修理費や自然災害の補償を含む

定額制は、使った電気の量ではなく定額で払うため、電気をあまり使わなかった月でも支払いは変わりません。PPAと同じく、契約期間や解約の条件、契約後の扱いを確認することが大切です。

GX LAB を運営するFit Founderも、このうち「COCORO POWER」の取扱店として、既築住宅でも使えるプランを提供しています(既築住宅の場合は施工時の足場の費用のみ負担。詳しくはニュース「Fit Founder、シャープの定額制PPAサービスの提供を開始」をご覧ください)。

長い目で見るとどうなるか

太陽光のパネルは、20年、30年と長く使える設備です。解説記事の独自の試算では、30年間のトータルで見ると、購入のほうがPPAより約70万〜180万円、経済的なメリットが大きいとされています。

初期費用を払える家庭にとっては、長い目で見ると購入のほうが有利になりやすいと言えます。一方で、PPAには、初期費用をかけずにすぐに始められること、管理を任せられることといった、お金だけでは測れない価値もあります。

どちらが向いているか

購入が向いている家庭

  • 初期費用を用意できる、またはローンなどで無理なく払える
  • 売電の収入や補助金も、自分で受け取りたい
  • 将来、屋根の工事や家の売却の可能性がある
  • 長い目で見た経済的なメリットを重視する

PPAが向いている家庭

  • 初期費用を出さずに、すぐに太陽光を始めたい
  • 昼間に家で電気を多く使い、つくった電気を自分で使える
  • 10〜15年、同じ家に住み続ける見通しがある
  • 設備の管理や点検を任せたい

比べるときの進め方

判断に迷ったら、同じ屋根で「購入した場合」と「PPAの場合」の両方の見積もりを取り、10年後・20年後の支払いと収入の合計を並べて比べてみましょう。数字を並べると、自分の家にとってどちらが合うかが見えやすくなります。

太陽光でつくった電気を自分で使うことの価値については、GX LAB の「“売る”より“使う”へ。自家消費という発想転換」でも解説しています。

おわりに

購入とPPAの比べ方をまとめます。

  • 購入は初期費用がかかるが、売電の収入や補助金を自分で受け取れ、自由度も高い
  • PPAは初期費用ゼロで管理も任せられるが、電気の代金を払い、売電の収入は事業者のものになる契約が多い
  • 長い目で見ると、購入のほうが経済的に有利になりやすいとの試算がある
  • 初期費用を出せるか、住み続けるか、自由度をどう考えるかで判断する

※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。条件は事業者や地域によって異なるため、必ず見積もりと契約書の内容をご確認ください。

Share