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コラム

太陽光・蓄電池・オール電化の「時間のズレ」を解く|電気代を下げる組み合わせ方

太陽光は昼に発電し、オール電化の家庭は夜に電気を多く使います。この「時間のズレ」をそのままにすると、安く売って高く買うことになりかねません。蓄電池や給湯の設定、料金プランでズレを解く考え方を整理しました。

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夕暮れの住宅。屋根の太陽光パネルと、外壁沿いのエコキュートと蓄電池、明かりの灯るリビング
目次

はじめに

太陽光発電とオール電化は、どちらも電気を中心にした暮らしなので、相性がよさそうに見えます。ところが、組み合わせ方によっては「思ったほど電気代が下がらない」「かえって上がった」ということも起こります。

その原因は、電気を「つくる時間」と「使う時間」のズレです。このコラムでは、このズレがなぜ起きるのか、そして蓄電池や給湯の設定、料金プランでどう解いていけばよいかを整理します。

「つくる時間」と「使う時間」のズレ

太陽光発電が電気をつくるのは、太陽が出ている昼間です。一方、オール電化の家庭では、次のように夜に電気を多く使う暮らし方が一般的です。

  • エコキュートは、深夜の安い電気でお湯を沸かす
  • 家族がそろう夕方から夜に、調理や冷暖房、入浴で電気を使う

つまり、太陽光が発電する昼間には電気があまり使われず、電気を多く使う夜には太陽光が発電していない、という状態になりやすいのです。

ズレがあると何が起きるか

昼間に使い切れなかった太陽光の電気は、電力会社に売ることになります。そして夜に必要な電気は、電力会社から買います。問題は、売る単価と買う単価の差です。

  • 売る単価:2026年度に新しく始める住宅用の太陽光は、最初の4年間が1kWhあたり24円、5年目以降は8.3円。10年間の買取期間を終えた「卒FIT」の家庭では、大手電力会社で7〜8円台が中心とされています
  • 買う単価:たとえば東京電力エナジーパートナーのオール電化向けプラン「スマートライフS」は、価格.comによると、午前1時〜6時が1kWhあたり27.86円、それ以外の時間が35.76円です(2024年4月からの料金、燃料費調整額と再エネ賦課金を含む)

特に買取期間を終えた家庭では、昼間の電気を1kWhあたり10円に満たない単価で売り、夕方以降に必要な電気を35円台で買う、ということになりがちです。単価の差は3倍以上にもなります。これが、太陽光とオール電化を組み合わせても電気代が思ったほど下がらない理由です。

太陽光を始めたばかりの家庭でも

2026年度に新しく太陽光を始めた家庭は、最初の4年間は1kWhあたり24円で売れます。それでも、この例では最も安い深夜の単価(27.86円)より低い金額です。売った電気を夜に買い戻すと、その差だけ損をする計算になるため、始めたばかりの家庭でも、できるだけ自宅で使うほうが有利になりやすいと言えます。

5年目以降は売る単価が8.3円に下がり、ズレの影響はさらに大きくなります。太陽光を始めたばかりの家庭は、5年目以降も見すえて、蓄電池や料金プランを検討しておくとよいでしょう。

ズレを解く方法

1. 蓄電池で昼の電気を夜に回す

最も直接的な方法が、蓄電池です。昼間に使い切れなかった太陽光の電気を蓄電池にため、夕方から夜にかけて使えば、高い電気を買う量を減らせます。売る単価が低い家庭ほど、売るより蓄電池にためて自分で使うほうが有利になりやすくなります。

2. お湯を沸かす時間を見直す

エコキュートは、深夜にお湯を沸かす設定が一般的です。機種によっては、太陽光が発電している昼間にお湯を沸かす設定ができるものもあります。昼間の太陽光の電気でお湯を沸かせれば、給湯に使う電気の一部を自宅でまかなえます。お使いのエコキュートにこうした機能があるか、取扱説明書やメーカーで確認してみましょう。

3. 電気を使う家事を昼間に寄せる

在宅の時間があれば、洗濯乾燥機や食器洗い乾燥機など、電気を多く使う家事を太陽光が発電している昼間に寄せることも効果的です。電気自動車がある家庭では、昼間に充電するのも1つの方法です。

4. 料金プランを暮らし方に合わせる

太陽光の電気を昼間に自家消費するようになると、「深夜が安く昼間が高い」プランが合わなくなることもあります。最近は、昼間の単価を安くしたプランも登場しています。たとえば中部電力ミライズの「昼とくプラン」は、春・秋の昼間(10時〜17時)の単価が1kWhあたり16.42円(税込)で、エコキュート・蓄電池・電気自動車のいずれかを使う家庭が対象です。暮らし方と設備に合わせて、プランを見直してみましょう。

組み合わせを考えるときの順番

これから太陽光・蓄電池・オール電化をそろえる場合や、組み合わせを見直す場合は、次の順番で考えると整理しやすくなります。

  • 家族の生活時間(昼に家にいるか、夜に電気を多く使うか)を確認する
  • 太陽光の発電量と、昼間に自分で使える量を見積もる
  • 使い切れない分を夜に回すために、蓄電池の容量を考える
  • 給湯の設定と、料金プランを暮らし方に合わせる

太陽光の電気を売るより自分で使うほうが得になりやすい背景は、GX LAB の「“売る”より“使う”へ。自家消費という発想転換」でも解説しています。

おわりに

太陽光・蓄電池・オール電化の「時間のズレ」を解くポイントをまとめます。

  • 太陽光は昼に発電し、オール電化の家庭は夜に電気を多く使うため、ズレが生まれやすい
  • ズレがあると、安く売って高く買うことになりやすい
  • 蓄電池で昼の電気を夜に回すのが最も直接的な解決策
  • 給湯の沸き上げ時間、家事の時間、料金プランもあわせて見直す

※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。料金プランの単価や機器の機能は、電力会社・機種によって異なります。

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