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取り組み

千葉県市原市とバイウィルが連携協定 プログラム型J-クレジットへの参加も盛り込む

千葉県市原市とバイウィルが、ゼロカーボンシティの実現に向けたJ-クレジット活用の連携協定を結びました。協定には「プログラム型J-クレジットプロジェクトへの参加」も盛り込まれています。その意味と、市の取り組みを解説します。

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市原市役所での連携協定の締結式。協定書を手にする市原市長の小出譲治氏(左)とバイウィルの前田哲志氏(右)
目次

千葉県市原市と株式会社バイウィルが、2026年7月16日に「『ゼロカーボンシティ』の実現に向けた環境価値(J-クレジット)の活用に関する連携協定」を締結しました。締結式は市原市役所で行われ、同じ日にバイウィルが発表しています。

画像出典元:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-07-16)

両者は、J-クレジットをはじめとする環境価値の創出・流通や、新しいビジネスモデルづくりに取り組みます。今回の協定には、GX LABでこれまで紹介してきた協定には見られなかった「プログラム型J-クレジットプロジェクトへの参加」という項目が入っています。

この記事では、市原市の取り組みと、プログラム型という仕組みの意味を見ていきます。

協定のポイント

  • 締結日:2026年7月16日(市原市役所で締結式)
  • 連携先:千葉県市原市(市長:小出譲治氏)、株式会社バイウィル
  • 目的:地域でのカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現
  • 検討している方法:LED設備、太陽光発電設備、そのほかの方法論

協力する分野を言い換えると、次のとおりです。

  • 環境価値に関する情報・サービス・ノウハウを提供する
  • 環境価値を使った新しいビジネスモデルをつくる
  • 環境価値を使った取り組みを外に発信し、広める
  • プログラム型のJ-クレジットプロジェクトに参加する
  • そのほか、双方が協議して必要と認めたことに取り組む

市原市のゼロカーボンの取り組み

市原市は、すでにさまざまな脱炭素の取り組みを進めています。

市原市は、2024年2月13日(火)に2050年までに温室効果ガスの排出量実質ゼロをめざす「市原市ゼロカーボンシティ宣言」を行なっています。実現に向けて、PPAによる避難所等への太陽光発電設備等の導入や市民・市内事業者の脱炭素設備導入に対する補助事業などに取り組んでいます。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-07-16)

PPA(電力購入契約)は、事業者が施設の屋根などに太陽光発電設備を設置し、施設側はその電気を買って使う仕組みです。初期費用をかけずに太陽光を導入できる方法として、自治体でも広がっています。避難所に太陽光を入れれば、災害時の電源としても役立ちます。

こうした取り組みに加えて、新しい取り組みとしてJ-クレジットの創出・活用を進めるため、今回の協定に至りました。

「プログラム型」とは何か

J-クレジットのプロジェクトには、大きく2つの形があります。

  • 通常型:一つの事業者の、一つの取り組みを、一つのプロジェクトとして登録する
  • プログラム型:多くの小さな取り組みをまとめて、一つのプロジェクトとして登録する

一か所ごとの削減量が小さいと、登録やモニタリングにかかる手間や費用に見合わないことがあります。プログラム型なら、多くの取り組みを束ねることで、手続きをまとめて効率よく進められます。取り組みの数を後から増やしていけるのも特徴です。

協定に「プログラム型J-クレジットプロジェクトへの参加」が入っていることから、市原市の設備などを、多くの参加者を束ねたプロジェクトの一部として扱うことが想定されていると考えられます。どの設備が、どのプロジェクトに参加するのかといった具体的な中身は、今後の発表を待つ必要があります。

LED、太陽光、そのほかの方法へ

発表では、クレジットのつくり方について次のように書かれています。

J-クレジットの創出方法(方法論)については、LED設備や太陽光発電設備、その他の方法論による導入を検討しています。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-07-16)

LEDへの更新や、避難所などへの太陽光の導入は、市がすでに進めている取り組みと重なります。施設ごとの削減量が小さくても、プログラム型で束ねられれば、クレジットにしやすくなります。市の既存の取り組みと、プログラム型という仕組みは、相性がよい組み合わせといえます。

バイウィルは、プロジェクトの登録・申請からモニタリング、クレジットの販売までを支援します。販売では、つくったクレジットを地域の中で使う「地産地消」で、市原市をはじめとする地域の脱炭素を進めるとしています。

ほかの自治体の協定と比べると

  • 新潟県糸魚川市:LED設備から始めることを検討。市民・市内事業者への普及啓発も協定に(糸魚川市の連携協定)
  • 福井県勝山市:市と地域の森林組合がそれぞれ管理する森林を、一つのプロジェクトとして登録(勝山市と小原生産森林組合の森林J-クレジット)
  • 千葉県市原市(今回):LEDや太陽光を検討し、プログラム型への参加を協定に明記

小さな取り組みを束ねて規模をつくるという考え方は、勝山市のように複数の森林をまとめる事例とも通じます。市原市の協定は、それを仕組みとして正面から取り入れている点が特徴です。

また、今回の協定は市とバイウィルの2者で結ばれています。ほかの多くの協定では地元の銀行が加わっていますが、市原市は直接の協定という形です。

ほかの自治体が参考にできること

  • 小さな削減も束ねれば価値になる:施設ごとの削減量が小さくても、プログラム型を使えばクレジットにできる可能性がある
  • 既存の取り組みを棚卸しする:PPAによる太陽光、LEDへの更新、補助事業など、すでに進めている取り組みを洗い出す
  • 発信も協定に含める:市原市は、環境価値を使った取り組みの対外発信と普及も協力分野に入れている
  • 災害対策と一緒に考える:避難所への太陽光のように、脱炭素と防災を同時に進められる取り組みを選ぶ

まとめ

  • 千葉県市原市とバイウィルが、2026年7月16日にJ-クレジットの活用に関する連携協定を結んだ
  • 市原市は2024年2月にゼロカーボンシティ宣言を行い、PPAによる避難所への太陽光導入や、市民・事業者向けの補助事業に取り組んでいる
  • 協定には「プログラム型J-クレジットプロジェクトへの参加」が盛り込まれた
  • LED設備、太陽光発電設備、そのほかの方法論でのクレジット創出を検討している

小さな取り組みを束ねて価値に変える。市原市がプログラム型の仕組みをどう生かしていくのか、今後の動きに注目です。

出典・参考

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