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AI時代の電力需要|データセンター・半導体工場で今後10年に約7GW増、国が描く電力基盤

国の資料では、データセンターと半導体工場の電力需要が今後10年間で約7GW増えると想定されています。AIデータセンターの電力消費の伸び、データセンターの地方分散、省エネ半導体や送電網・電源の整備など、パワーGXが示した対応を整理しました。

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ミニチュア模型のような丘陵地の産業団地。大型のデータセンター棟と半導体工場、変電所、送電鉄塔、ガス火力発電所が並んでいる
目次

生成 AI の普及で、AI の計算を担うデータセンターや、その部品をつくる半導体工場の新設・増設が進んでいます。これらは大量の電気を使うため、電力の安定供給が新たな課題になっています。この記事では、GX LAB 編集部が、2026年8月に示された「パワーGX」の資料をもとに、AI 時代の電力需要と国の対応を整理します。

パワーGX の全体像は、パワーGXの全体像で解説しています。

この記事でわかること

  • データセンター・半導体工場の電力需要の見通し
  • AI データセンターが電力の面で何を変えるのか
  • パワーGX が示した対応(省エネ・供給力・立地)
  • 動き始めた関連の投資

電力需要の見通し:今後10年で約7GW

パワーGX の資料では、データセンターと半導体工場の新設・増設に伴い、電力需要が今後10年間で約7GW 増えると想定されています。資料は、AI が国民生活や経済活動を支える社会インフラとして急速に広がっているとし、AI トランスフォーメーション(AX)を進める基盤として「電力の安定供給」を確保するため、中長期的・継続的な電源開発や系統整備への投資が死活的に重要になってきたとしています。

世界に目を向けると、資料が引用する国際エネルギー機関(IEA)の分析では、世界のデータセンターの電力消費は2030年まで年に約15%ずつ増える予測です。特に、GPU を大量に積んだ AI 処理用サーバーの電力需要は、年平均で約30%増える予測とされています。

AI データセンターが変えること

資料は、従来のクラウド向けの大規模データセンターに加えて、2025年以降、AI データセンターへの投資が急速に広がっているとしています。AI データセンターは従来型に比べて大幅に高い電力密度が必要になるため、首都圏への集中だけでなく、地方への分散も含めて、国全体で電力供給を最適化することが重要な課題だとしています。

海外では、大手 IT 企業が合計で20GW を超える脱炭素電力を調達し、サプライヤーにも炭素フリー電力の調達などを求めていることが紹介されています。データセンターの電力は、量だけでなく「脱炭素電源かどうか」も問われる流れです。

パワーGX が示した対応

パワーGX の4つの柱のうち、「AI 時代のエネルギー需給の安定化」では、次のような対応が示されています。

需要側:データセンターの省エネ

  • 省エネ型の半導体や、高効率の AI サーバーなど、データセンターそのものの革新
  • ものづくりの現場の電化や効率化への投資

供給側:電力供給力の確保

  • 天然ガス火力などの供給力の向上と最大限の活用
  • CCS(CO2の回収・貯留)の事業環境の整備
  • AI の利活用による飛躍的な電力需要の増加に対応するための、タービン供給能力の倍増
  • 送電網や大規模電源の整備

送電網の整備の考え方は、次世代電力ネットワークの解説で取り上げています。

立地:データセンターの集積地をつくる

国が創設した「GX 戦略地域制度」には、「データセンター集積型」の類型があります。脱炭素電源や電力系統の適地をふまえて、GW 級のデータセンターの集積地をつくることを目指し、候補地域として9地域が挙げられています。脱炭素電源のある地域に産業を集める考え方は、GX産業立地の解説で紹介しています。

動き始めた関連の投資

第17回 GX 実行会議で示された「我が国の GX 政策・GX 投資の進捗」では、データセンターに関わる投資の例も紹介されています。

  • AI データセンター向けの光通信用半導体(シリコンフォトニクス)の量産体制づくり:総事業費 約6,000億円、補助額 約1,600億円
  • データセンター向けの定置用蓄電池などの量産体制づくり:総事業費 約833億円、最大補助額 約283億円

光で信号をやり取りする半導体は、データセンターの消費電力を抑える技術として期待されています。データセンターの電力を支える蓄電池の役割は、系統用蓄電池の解説も参考になります。

企業にとっての意味

ここからは GX LAB 編集部の見立てです。

データセンターや半導体工場による電力需要の増加は、地域の電力需給や、将来の電気料金にも影響しうる動きです。工場などで電気を多く使う企業は、自社の電力需要の見通しを持ち、太陽光の自家消費や蓄電池、省エネで、外から買う電気への依存を下げておくと、需給の変化に備えやすくなります。また、取引先から脱炭素電力の利用を求められる場面も、今後増えていくと考えられます。

まとめ

  • データセンターと半導体工場の電力需要は、今後10年間で約7GW 増える想定
  • AI データセンターは電力密度が高く、地方分散も含めた電力供給の最適化が課題
  • パワーGX は、データセンターの省エネ、天然ガス火力などの供給力確保、タービン供給能力の倍増、送電網の整備を示した
  • GX 戦略地域制度で、GW 級のデータセンター集積地づくりも動き出している

出典・参考

※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。制度の内容は変更される場合があります。最新の情報は各省庁の公式ページをご確認ください。

よくある質問

Qデータセンターの電力需要はどのくらい増えるのですか?
A

パワーGXの資料では、データセンターと半導体工場の新設・増設に伴い、電力需要が今後10年間で約7GW増えると想定されています。

QAIデータセンターは従来のデータセンターと何が違うのですか?
A

資料によると、AIデータセンターは従来型に比べて大幅に高い電力密度が必要になります。そのため、首都圏への集中だけでなく、地方分散も含めて国全体で電力供給を最適化することが重要な課題とされています。

Q国はどんな対応をとるのですか?
A

パワーGXでは、省エネ型の半導体や高効率のAIサーバーなどデータセンターの革新、天然ガス火力などの供給力の向上、タービン供給能力の倍増、送電網や大規模電源の整備などが示されています。GX戦略地域制度では、GW級のデータセンター集積地づくりも進められています。

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