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地域脱炭素と「デコ活」|脱炭素先行地域と脱炭素型ライフスタイルへの転換

地球温暖化対策計画は、地方公共団体が主導する地域脱炭素を地方の成長戦略と位置づけ、2026年度から2030年度を新たな実行集中期間としました。脱炭素先行地域、国の支援の仕組み、国民運動「デコ活」による暮らしの脱炭素化を整理しました。

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屋根に太陽光パネルを載せた住宅や公共施設が並ぶ緑豊かな地方の町並み。手前に充電中の電気自動車と自転車に乗る人、空に家・太陽・葉のアイコン
目次

温室効果ガスを減らすには、工場や発電所だけでなく、地域や暮らしの中での取り組みも欠かせません。地球温暖化対策計画は、地方公共団体が主導する「地域脱炭素」と、国民運動「デコ活」による暮らしの脱炭素化に、多くのページを割いています。この記事では、GX LAB 編集部がその要点を整理します。

計画全体の流れは、地球温暖化対策計画の全体像で解説しています。

この記事でわかること

  • 地域脱炭素が「地方の成長戦略」と位置づけられている理由
  • 脱炭素先行地域と、2026〜2030年度の実行集中期間
  • 国による人材・情報・資金の支援
  • 暮らしの脱炭素化を進める「デコ活」

地域脱炭素は地方の成長戦略

計画は、脱炭素が経済競争と結びつく時代に、地域脱炭素は地方の成長戦略として、地域の強みを生かした課題解決や魅力の向上に貢献する機会だとしています。

地域の条件に合った再エネを地域でつくり、ためて、賢く使うことは、エネルギー価格の高騰や需給ひっ迫に強い地域への転換につながるとしています。さらに、未利用資源を使った産業振興、防災力の強化、地域の経済収支の改善などにも役立ち、地域の企業立地や投資の魅力を高めることにもつながるとしています。

見えてきた課題

一方で、地域脱炭素を進めるうえでの課題も挙げられています。

  • 地方公共団体の財源不足や、専門知識を持つ人材の不足。特に小規模な市町村では人員・専門人材の不足が深刻
  • 地域経済の担い手である中小企業や農林漁業者も、同じ課題を抱えている
  • 再エネの導入に伴う地域トラブルや、出力制御の増加

脱炭素先行地域と実行集中期間

国は、少なくとも100か所の地域で、2025年度までに「脱炭素先行地域」を選び、地方創生に資する脱炭素の先行的な取り組みを2030年度までに実現するとしています。

あわせて、屋根置きなど自家消費型の太陽光、地域共生・地域裨益型の再エネ、ZEH・ZEB、EV、蓄電池、エネルギーマネジメントシステムなどの導入を、地方公共団体が複数年度にわたって組み合わせて進める「重点対策加速化事業」を促すとしています。

計画は、2026年度から2030年度までの5年間を、地域脱炭素の新たな「実行集中期間」と位置づけ、必要な施策を進めるとしています。

新しい技術の地域での実装

GX 経済移行債も活用して、次のような支援を行うとしています。

  • 地産地消率の高い地域マイクログリッドや熱導管、VPP(仮想発電所)などの高度な地域エネルギーマネジメントシステムの導入支援
  • 商用車の電動化、断熱窓への改修、高効率給湯機器などの GX 製品の導入支援
  • ペロブスカイト太陽電池など、実用化されつつある技術を地域で面的に導入する新しいモデル(地域 GX イノベーションモデル)の検討

データセンターなどの新しい大きな需要を地域で取り込み、地域内の経済の循環につなげることも重要だとしています。脱炭素電源のある地域に産業を集める考え方は、GX産業立地の解説で紹介しています。

国による支援の仕組み

計画は、地域の都道府県、市町村、金融機関、中核企業、地域エネルギー会社、大学などが連携する体制づくりが重要だとし、国が「人材」「情報・技術」「資金」の面から積極的に支援するとしています。

  • 人材:脱炭素まちづくりアドバイザー制度などによる専門人材の派遣、地方公共団体の中核人材の育成、「脱炭素アドバイザー資格制度」の地域金融機関などでの取得の推進
  • 情報・技術:地域の排出量の推計ツールや、再エネ情報提供システムなどの充実
  • 資金:地域脱炭素推進交付金などによる複数年度の継続的な支援、株式会社脱炭素化支援機構(JICN)による資金供給

国の地方支分部局(地方農政局、経済産業局、地方整備局、地方環境事務所など)が連携し、地方公共団体が身近に相談できる窓口を設けるとしています。

暮らしの脱炭素化と「デコ活」

計画によると、日本の温室効果ガス排出量を生産ベースで見ると、家庭でのエネルギー消費などによる家計の排出は約2割ですが、消費ベース(カーボンフットプリント)で見ると、全体の約6割が家計によるものという報告もあります。

そこで計画は、脱炭素につながる豊かな暮らしをつくる国民運動「デコ活」を進め、2040年度までに全体で1億4,000万トン程度の排出削減に貢献することを目標にしています。特に、断熱リフォームなどの住宅の省エネ化、高効率給湯器の普及、次世代自動車の社会実装を重点的に後押しするとしています。

デコ活で促す取り組みの例は次のとおりです。

  • 断熱リフォームなどの住宅の脱炭素化、自家消費型の太陽光などの再エネの導入
  • LED 照明、省エネ家電、高効率給湯器、HEMS などの利用
  • クールビズ・ウォームビズ、地産地消や食べきりによる食品ロス対策
  • テレワークの導入、次世代自動車や公共交通機関、自転車の利用

また、2030年までに、製品・サービスのライフサイクル全体の排出量(カーボンフットプリントなど)を客観的に見える化し、包装や電子レシートなどに表示できる環境を整えるとしています。

企業にとっての意味

ここからは GX LAB 編集部の見立てです。

地域脱炭素の取り組みは、地域の企業にとって、太陽光や蓄電池、省エネ設備の導入支援を受けるきっかけにもなります。自治体が脱炭素先行地域や重点対策加速化事業に取り組んでいる場合は、地域の事業者向けの支援がないか確認する価値があります。中小企業が再エネの利用を宣言する枠組みは、再エネ100宣言 RE Action の解説で紹介しています。

まとめ

  • 地域脱炭素は、地方の成長戦略と位置づけられている
  • 少なくとも100か所の脱炭素先行地域で、2030年度までに先行的な取り組みを実現する
  • 2026〜2030年度を実行集中期間とし、国が人材・情報・資金の面から支援する
  • 「デコ活」で、2040年度までに1億4,000万トン程度の排出削減への貢献を目指す

出典・参考

※ 本記事は編集部が投稿した当時の情報に基づきます。制度の内容は変更される場合があります。最新の情報は各省庁の公式ページをご確認ください。

よくある質問

Q脱炭素先行地域とは何ですか?
A

地方創生に資する脱炭素の先行的な取り組みを進める地域です。国は少なくとも100か所の地域を2025年度までに選び、2030年度までに取り組みを実現するとしています。

Qデコ活とは何ですか?
A

脱炭素(Decarbonization)とエコ(Eco)を合わせた「デコ」に、活動・生活の「活」を組み合わせた、脱炭素につながる豊かな暮らしをつくる国民運動の愛称です。計画は、デコ活などを通じて2040年度までに1億4,000万トン程度の排出削減への貢献を目標にしています。

Q家庭の排出はどのくらいの割合ですか?
A

計画によると、生産ベースで見ると家計に関する排出は約2割ですが、消費ベース(カーボンフットプリント)で見ると全体の約6割が家計によるものという報告もあります。

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