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佐賀県唐津市とまつら森林組合の森林J-クレジット、8年間で2万7,547.1t-CO2の吸収を見込む

佐賀県唐津市とまつら森林組合が管理する625.13haの森林が、J-クレジット制度のプロジェクトとして正式登録されました。佐賀銀行が販売まで役割を担う4者の連携と、登録の意味を解説します。

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唐津市とまつら森林組合が管理する森林。青空と雲の下、スギやヒノキの林に覆われた山並みが重なり、谷あいに田畑が見える
目次

佐賀県唐津市、まつら森林組合、株式会社佐賀銀行、株式会社バイウィルが進めてきた森林J-クレジットのプロジェクトが、第69回J-クレジット制度認証委員会で、国の制度に正式に登録されました。2026年9月30日にバイウィルが発表しています。

画像出典元:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-09-30-2)

このプロジェクトは、佐賀銀行がきっかけで始まりました。唐津市、まつら森林組合、佐賀銀行、バイウィルの4者で、今後もクレジットの創出と販売を進めるとしています。

今回の発表では、銀行が担う役割が具体的に書かれているのが特徴です。この記事では、プロジェクトの中身と、4者がそれぞれ何を担うのかを見ていきます。

プロジェクトのポイント

  • 自治体:佐賀県唐津市(市長:峰達郎氏)
  • 森林の管理者:唐津市、まつら森林組合(代表理事組合長:吉村陽一氏)
  • 連携先:株式会社佐賀銀行、株式会社バイウィル
  • 方法論:森林経営活動(適切な森林管理によるCO₂吸収量の増加を算定する方法)
  • プロジェクトの種類:通常型
  • 面積:625.13ha
  • 吸収見込み量:2万7,547.1t-CO₂(認証対象期間:2025年4月1日〜2033年3月31日)

認証対象期間は8年間です。単純に年数で割ると、1年あたりおよそ3,440t-CO₂の吸収を見込んでいる計算になります。実際に発行される量は、今後のモニタリングと国の認証で決まります。

「登録」で決まったこと

発表では、今回の登録の意味と、これからの流れが次のように説明されています。

今回のプロジェクト登録により、唐津市、まつら森林組合が管理する森林は、J-クレジット創出に向けた対象森林として正式に登録されました。今後は、適切な森林管理を継続しながらCO2吸収量のモニタリング・算定を行い、国による認証を経てJ-クレジットの発行を目指します。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-09-30-2)

登録によって、「この森林を、この方法で、この期間、クレジットの対象にする」ことが国に認められました。今後は、手入れを続けながら吸収量を記録し、国の審査と認証を受けて、はじめてクレジットが発行されます。

発表では、将来的に木材を売る収入に加えてクレジットの収入を得て、それを森林整備や林業の継承に回すことで、手入れを続けられる森林経営につながることが期待されています。

4者の役割分担

今回のプロジェクトでは、4者の役割がはっきりしています。

  • 唐津市・まつら森林組合:対象となる森林を管理し、手入れを続ける
  • バイウィル:登録をはじめ、モニタリングや認証の手続きなど、クレジットをつくるための実務を支援する
  • 佐賀銀行:関係者の引き合わせ、事業の組み立て、地域企業へのクレジット販売などを支援する

特に注目したいのは、佐賀銀行の役割です。

また、佐賀銀行は関係者のマッチング、事業組成、地域企業へのJクレジット販売などを支援します。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-09-30-2)

これまで紹介してきた多くのプロジェクトでも、地元の銀行は「きっかけ」をつくる存在でした。唐津市のプロジェクトでは、それに加えて、事業の組み立てや地域企業への販売まで、銀行の役割として明記されています。

クレジットは、売れてはじめて収入になります。地域の企業と日ごろから取引のある銀行が販売を支えることで、つくったクレジットを地域の中で使ってもらう道筋が描きやすくなります。

協定から約2年で登録へ

このプロジェクトの土台には、2024年11月に発表された、唐津市、佐賀銀行、バイウィルの連携協定があります。この協定は、カーボンニュートラルに加えて、ネイチャーポジティブの実現も目的に掲げています。

ネイチャーポジティブとは、失われつつある自然を回復に向かわせることを目指す考え方です。森林を適切に手入れし、その働きを守ることは、CO₂の吸収だけでなく、自然そのものを豊かにすることにもつながります。

協定の発表から今回の登録の発表まで、およそ2年です。森林の記録集めや計画づくりに時間をかけ、まつら森林組合も加わった4者の形で登録にたどり着きました。

自治体と森林組合が組む例

唐津市のように、自治体と地域の森林組合が一緒に取り組む例は、ほかの地域にもあります。

同じ第69回認証委員会では、鹿児島県出水市の森林プロジェクトも登録されています(出水市の森林J-クレジット)。九州の自治体で、森林クレジットの動きが続いています。

ほかの自治体・森林組合が参考にできること

  • 地域の森林組合と組む:自治体の森林だけでなく、森林組合が管理する森林と合わせることで、まとまった規模のプロジェクトにできる
  • 銀行の役割を具体的に決める:きっかけづくりだけでなく、事業の組み立てや販売まで、銀行に何を担ってもらうかを最初に話し合う
  • 自然全体への効果も伝える:CO₂の吸収だけでなく、自然の回復というネイチャーポジティブの視点も、取り組みの価値として伝えられる
  • 登録までの時間を見込む:協定から登録までに2年ほどかかることもある。早めに準備を始める

まとめ

  • 佐賀県唐津市とまつら森林組合が管理する625.13haの森林が、第69回認証委員会でJ-クレジットのプロジェクトとして正式に登録された
  • 2033年3月までの8年間で、2万7,547.1t-CO₂の吸収を見込む
  • 佐賀銀行がきっかけをつくり、関係者の引き合わせや事業の組み立て、地域企業への販売まで支援する
  • バイウィルは登録やモニタリング、認証の手続きを支援し、4者でクレジットの創出と販売を進める

森林組合と銀行が、それぞれの強みを生かして支える唐津市のプロジェクト。発行されたクレジットが地域の企業にどう届いていくのか、今後の動きに注目です。

出典・参考

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