岐阜県白川村と大垣共立銀行・バイウィルが包括連携協定 LED設備からJ-クレジット創出を検討
岐阜県白川村、大垣共立銀行、バイウィルの3者が、白川村のカーボンニュートラル実現に向けた包括連携協定を結びました。小さな村がJ-クレジットに取り組む意味と、LED設備から始める構想を解説します。

目次
岐阜県白川村、株式会社大垣共立銀行、株式会社バイウィルの3者が、2026年7月22日に「白川村のカーボンニュートラル実現に向けた包括連携協定」を締結しました。締結式は白川村役場で行われ、7月24日にバイウィルが発表しています。
画像出典元:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-07-24)
3者は、J-クレジットをはじめとする環境価値の創出・流通や、新しいビジネスモデルづくりに取り組みます。J-クレジットは、村のLED設備から始めることを検討しています。
世界遺産「白川郷」の合掌造り集落で知られる白川村は、岐阜県の山あいにある村です。この記事では、小さな村がJ-クレジットに取り組む意味を見ていきます。
協定のポイント
- 締結日:2026年7月22日(白川村役場で締結式)
- 連携先:岐阜県白川村(村長:成原茂氏)、株式会社大垣共立銀行、株式会社バイウィル
- 目的:J-クレジットなどの環境価値に関する情報の共有や事業の推進を通じて連携を強め、地域のカーボンニュートラルの実現に役立てる
- 最初の取り組み:LED設備の導入からJ-クレジットの創出を検討
協力する分野を言い換えると、次のとおりです。
- 環境価値に関する情報・サービス・ノウハウを提供する
- 環境価値を使った新しいビジネスモデルをつくる
- そのほか、協定の目的に役立つと当事者が認めたことに取り組む
行政改革の中で進める脱炭素
白川村の脱炭素の取り組みは、行政改革の計画の中に位置づけられています。
白川村は、令和4年度から令和8年度までの5年間について、「第7次白川村行政改革大綱」に基づき、温室効果ガス排出量の削減に向けた省エネルギー、ペーパレス化、可燃ごみの減量化、グリーン購入等を進めています。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-07-24)
省エネやペーパーレス化、ごみの減量、環境に配慮した物品を選ぶグリーン購入。いずれも、村役場の日々の仕事の中で取り組めることです。大綱の期間は2026年度(令和8年度)までで、今回の協定はその最終年度に結ばれました。
これまでの省エネの取り組みに、J-クレジットという新しい視点を加えることで、削減の成果を価値に変える道が開けます。
小さな村こそ、支援の意味が大きい
J-クレジットの手続きには、専門的な知識と手間がかかります。職員の数が限られる小さな村ほど、村だけで取り組むのは難しくなります。
今回の協定では、バイウィルがプロジェクトの登録・申請からモニタリング、クレジットの販売までを支援します。販売では大垣共立銀行とも協力し、つくったクレジットを地域の中で使う「地産地消」で、白川村をはじめとする地域の脱炭素を進めるとしています。
手続きは専門の事業者に、買い手探しは地元の銀行と一緒に。村は、省エネなどの取り組みそのものに力を注げる形です。
LED設備から始めて、広げていく
発表では、クレジットのつくり方について次のように書かれています。
J-クレジットの創出方法(方法論)については、LED設備の導入から着手することを検討しており、その後、その他の方法論による創出にも広げていく想定です。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-07-24)
LEDは、入れ替え前後の消費電力を比べやすく、削減量を示しやすい設備です。村役場や学校、公民館などの照明から始めることで、手続きの流れをつかみやすくなります。
LEDから始める協定は、新潟県糸魚川市や広島県安芸高田市でも結ばれています(糸魚川市の連携協定、安芸高田市の連携協定)。市だけでなく村でも、同じ道筋で取り組めることを示す例といえます。
大垣共立銀行とのつながり
今回の協定も、地元の銀行がきっかけでした。大垣共立銀行とバイウィルは、2023年9月27日に顧客紹介契約を結び、地域の脱炭素を一緒に目指してきました。その大垣共立銀行が、白川村にバイウィルを紹介したことで、今回の協定に至りました。
銀行が支援事業者と先に契約を結び、その関係を通じて自治体へつなぐ流れは、ほかの地域でも見られます。岡山県鏡野町でも、地元の中国銀行の紹介が取り組みのきっかけになり、森林クレジットの認証と地元企業への長期販売まで進みました(鏡野町の森林J-クレジット)。
ほかの小規模自治体が参考にできること
- 今の計画の中に位置づける:温暖化対策の計画だけでなく、行政改革などの既存の計画の中でも脱炭素を進められる
- 身近な設備から始める:LEDのように削減量を示しやすい設備から始めて、手続きの流れをつかむ
- 手続きは専門家に任せる:職員の数が限られる小さな自治体ほど、登録から販売までを支援事業者に任せる意味が大きい
- 地元の銀行に相談する:支援事業者と契約を結んでいる銀行が、自治体との橋渡しをしてくれることがある
まとめ
- 岐阜県白川村、大垣共立銀行、バイウィルの3者が、2026年7月22日にカーボンニュートラル実現に向けた包括連携協定を結んだ
- 白川村は「第7次白川村行政改革大綱」に基づき、省エネ、ペーパーレス化、ごみの減量、グリーン購入などを進めている
- J-クレジットは、LED設備の導入から始めることを検討し、その後ほかの方法論にも広げる想定
- 大垣共立銀行の紹介がきっかけとなり、販売でも両者が協力して「地産地消」を進める
世界遺産の村が、小さな省エネの積み重ねをどのように価値に変えていくのか、今後の動きに注目です。
出典・参考
- 株式会社バイウィル「岐阜県白川村、大垣共立銀行、バイウィルが『白川村のカーボンニュートラル実現に向けた包括連携協定』を締結」(2026年7月24日公表)
- 白川村「白川村行政改革大綱【第7次】及び同実施計画について」