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北海道豊富町の森林J-クレジット、プロジェクト登録が完了 929haで3万9,884t-CO2の吸収を見込む

北海道豊富町が管理する929haの森林が、J-クレジット制度のプロジェクトとして正式登録されました。北海道銀行がきっかけをつくったプロジェクトの中身と、登録によって町の森林がどう変わるのかを解説します。

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豊富町が管理する森林。日の光が差し込むシラカバやエゾマツなどの林と、手前に広がる草地
目次

北海道豊富町とバイウィルが進めてきた森林J-クレジットのプロジェクトが、第68回認証委員会で、国の制度に正式に登録されました。2026年5月27日にバイウィルが発表しています。

画像出典元:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-05-27)

このプロジェクトは、株式会社北海道銀行がきっかけで始まりました。豊富町とバイウィルが協力して、今後もクレジットの創出と販売を進めるとしています。

対象の面積は929ha、全期間の吸収見込み量は3万9,884t-CO₂です。この記事では、プロジェクトの中身と、登録によって町の森林がどう変わるのかを見ていきます。

プロジェクトのポイント

  • 自治体:北海道豊富町(町長:河田誠一氏)
  • きっかけ:株式会社北海道銀行
  • 対象:豊富町の森林管理によるプロジェクト
  • 方法論:森林経営活動(適切な森林管理によるCO₂吸収量の増加を算定する方法)
  • プロジェクトの種類:通常型
  • 面積:929ha
  • 吸収見込み量(全期間):3万9,884t-CO₂
  • 登録:第68回認証委員会

発表では、吸収見込み量の対象となる期間は示されていません。また、これはあくまで見込みで、実際に発行されるクレジットの量は、今後のモニタリングと国の認証で決まります。

町の森林を「収入を生む資産」に

発表では、今回登録されたプロジェクトの中身が次のように説明されています。

今回、J-クレジット創出のプロジェクトとして登録されたのは、豊富町の森林管理によるプロジェクトです。「森林管理」とは、森林の持っている様々な価値を最大化するために適切な管理を行うことです。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-05-27)

間伐などの手入れで森林が明るくなると、残った木や下草がよく育ち、CO₂をより多く吸収するようになります。その増えた吸収量を国に認めてもらい、売ることのできるクレジットに変えるのが、今回の方法論「森林経営活動」です。

豊富町は、森林の管理と活用を通じて地域の林業を支えてきました。林業の活性化と地域のためにJ-クレジットを活用できると考え、今回の創出に取り組んだとしています。

登録から販売まで、支援事業者が担う

J-クレジットは、登録、モニタリング(吸収量の記録・算定)、国の審査と認証を経て、はじめて発行されます。豊富町が終えたのは、最初の「登録」の段階です。

この度のプロジェクト登録に係る申請手続きから審査対応や、今後発生するJ-クレジット認証に係るモニタリング手続きなど、販売戦略の立案から販売遂行までバイウィルが支援することで、地域の森林が新たな収益を生む環境資産として再定義されます。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-05-27)

町の職員が、専門的な申請や審査への対応、毎年のモニタリング、買い手探しまでを自前で担うのは簡単ではありません。こうした実務を専門の事業者が引き受けることで、町は森林の手入れそのものに集中できます。

発表では、クレジットの収入を林業の継承や森林の保全活動に回すことで、地域の中でお金が回る脱炭素に近づくとしています。

地元銀行が生んだ連携

このプロジェクトのきっかけをつくったのは、北海道銀行です。土台には、2024年12月に発表された連携協定があります。豊富町、北海道銀行、ユーラスエナジーホールディングス、バイウィルの4者が、カーボンニュートラルの実現に向けて結んだものです。

協定の発表から今回の登録の発表まで、およそ1年5か月です。森林の記録集めや計画づくりには時間がかかることがわかります。

地元の銀行がプロジェクトの出発点になる例は、各地で見られます。

地域の銀行は、自治体や地域の企業との関係が深く、クレジットの買い手候補とも接点を持ちやすい存在です。自治体と支援事業者をつなぐ役として、存在感が増しています。

ほかの自治体のプロジェクトと比べると

同じように市町村が管理する森林を対象にしたプロジェクトと、規模を並べてみます。

  • 北海道豊富町:929ha/3万9,884t-CO₂(全期間)
  • 鹿児島県出水市:823.91ha/3万1,084t-CO₂(2025年4月〜2033年3月)
  • 秋田県由利本荘市:422.76ha/1万9,200t-CO₂(2025年4月〜2033年3月)(由利本荘市の森林J-クレジット)

豊富町は、面積・吸収見込み量ともに大きな部類に入ります。ただし、豊富町は期間が示されていないため、ほかの2市と年あたりの量を単純に比べることはできません。

ほかの自治体が参考にできること

  • 地元の銀行に相談する:連携協定を結んでいる銀行などが、支援事業者や買い手候補とつないでくれることがある
  • 協定から登録までの時間を見込む:豊富町は協定の発表から登録の発表まで1年5か月ほど。記録集めや計画づくりの時間を見ておく
  • 見込み量は目安として扱う:登録時の吸収見込み量は、実際の発行量と違いうる。予算や計画には幅を持たせる
  • 実務の担い手を決めておく:登録後もモニタリングと報告が続く。庁内で担うのか、支援事業者に任せるのかを最初に決める

まとめ

  • 北海道豊富町が管理する929haの森林が、第68回認証委員会でJ-クレジットのプロジェクトとして正式に登録された
  • 全期間の吸収見込み量は3万9,884t-CO₂
  • 北海道銀行がきっかけをつくり、手続きから販売まではバイウィルが支援する
  • 今後はモニタリングと国の認証を経てクレジットの発行を目指し、収入を林業の継承や森林保全に回すことが期待されている

北の大地の森林が、手入れの成果を新しい収入に変えようとしています。豊富町のクレジットがどのように発行され、地域に還元されていくのか、今後の動きに注目です。

出典・参考

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