埼玉県川島町とバイウィルが連携協定 バイウィル初の埼玉県の連携自治体に、LED設備からJ-クレジット創出を検討
埼玉県川島町とバイウィルが、カーボンニュートラルの取組に関する連携協定を結びました。バイウィルにとって埼玉県で最初の連携自治体です。すでに進めているLED照明の導入を、J-クレジットという価値に変える構想を解説します。

目次
埼玉県川島町と株式会社バイウィルが、2026年10月2日に「カーボンニュートラルの取組に関する連携協定」を締結しました。締結式は川島町役場で行われ、10月6日にバイウィルが発表しています。
画像出典元:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-10-06)
川島町は、バイウィルにとって埼玉県で最初の連携自治体です。両者は、J-クレジットをはじめとする環境価値の創出・流通や、新しいビジネスモデルづくりに取り組みます。
この記事では、協定の中身と、町がすでに進めている省エネの取り組みが、J-クレジットによってどう生かされるのかを見ていきます。
協定のポイント
- 締結日:2026年10月2日(川島町役場で締結式)
- 連携先:埼玉県川島町(町長:藤間隆氏)、株式会社バイウィル
- 位置づけ:バイウィルにとって、埼玉県で最初の連携自治体
- 目的:地域でのカーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現
- 最初の取り組み:LED設備の導入からJ-クレジットの創出を検討
協力する分野を言い換えると、次のとおりです。
- 環境価値に関する情報・サービス・ノウハウを提供する
- 環境価値を使った新しいビジネスモデルをつくる
- そのほか、協定の目的のために双方が協議して必要と認めたことに取り組む
背景にある町の「事務・事業編」計画
川島町は、町役場の仕事から出る温室効果ガスを減らすための計画をつくっています。
川島町は、町の事務・事業に関し、温室効果ガスの排出量の削減並びに吸収作用の保全及び強化のための取組みを促進し、地球温暖化対策の推進を図ることを目的とした「川島町地球温暖化対策実行計画《事務・事業編》」を策定しています。実現に向けて、LED照明の導入や省エネ効果の高い機器への入れ替えなどに取り組んでいます。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-10-06)
「事務・事業編」は、役場の庁舎や学校、公共施設など、町自身の活動から出る温室効果ガスを対象にした計画です。地域全体の排出を対象にする計画とは別に、まず町役場が一つの事業者として削減に取り組むためのものです。
川島町はこの計画にもとづいて、LED照明の導入や、省エネ効果の高い機器への入れ替えをすでに進めています。今回の協定は、こうした取り組みに、町にとって新しい取り組みとなるJ-クレジットの創出・活用を加えるものです。
進めている省エネを「価値」に変える
J-クレジットのつくり方について、発表では次のように書かれています。
J-クレジットの創出方法(方法論)については、LED設備の導入から着手することを検討しており、その後、その他の方法論による創出にも広げていく想定です。 >出典:株式会社バイウィル(https://www.bywill.co.jp/news/2026-10-06)
LED照明に替えると電気の使用量が減り、CO₂の排出も減ります。これまでは「電気代が下がった」で終わっていた効果を、国が認証したクレジットとして取引できる形にする。川島町の場合、計画にもとづいてすでにLEDの導入を進めているため、手元の取り組みを価値に変えられる余地があります。
バイウィルは、プロジェクトの登録・申請からモニタリング、クレジットの販売までを支援します。販売では、つくったクレジットを地域の中で使う「地産地消」を進め、川島町をはじめとする地域の脱炭素につなげることを目指しています。
ほかの自治体の協定と比べると
LED設備からJ-クレジットの創出を検討する自治体との協定は、ほかにもあります。
- 新潟県糸魚川市:市の事務事業での排出ゼロを目指す計画を背景に、バイウィルと2者で協定(糸魚川市の連携協定)
- 和歌山県橋本市:2030年度に51%削減という目標を背景に、紀陽銀行を加えた3者で協定(橋本市の連携協定)
- 岐阜県白川村:行政改革の計画の中で省エネを進め、大垣共立銀行を加えた3者で協定(白川村の包括連携協定)
- 埼玉県川島町(今回):事務・事業編の計画を背景に、バイウィルと2者で協定
川島町は、糸魚川市と同じく、町役場の事務・事業を対象にした計画を背景にしています。また、地元の銀行を加えずに、自治体とバイウィルが直接結んだ協定である点は、糸魚川市や千葉県市原市(市原市の連携協定)と共通しています。
ほかの自治体が参考にできること
- すでに進めている省エネを洗い出す:LED照明や省エネ機器への入れ替えなど、計画にもとづいて進めている取り組みが、クレジットの最初の対象になりうる
- 事務・事業編の計画とつなげる:町役場自身の削減の取り組みと、クレジットによる価値づくりを一緒に考える
- 身近な設備から始める:LEDのように削減量を示しやすい設備から始めて、手続きの流れをつかむ
- 売り先まで考える:つくったクレジットを地域の企業に使ってもらう「地産地消」を、協定の段階から視野に入れる
まとめ
- 埼玉県川島町とバイウィルが、2026年10月2日にカーボンニュートラルの取組に関する連携協定を結んだ
- 川島町は、バイウィルにとって埼玉県で最初の連携自治体
- 町は「事務・事業編」の計画にもとづき、LED照明の導入や省エネ機器への入れ替えを進めてきた
- J-クレジットは、LED設備の導入から始めることを検討し、その後ほかの方法論にも広げる想定
- バイウィルが登録から販売までを支援し、「地産地消」で地域の脱炭素を目指す
町が積み重ねてきた省エネの取り組みが、どのように新しい価値を生んでいくのか。埼玉県で最初の連携となる川島町の今後の動きに注目です。
出典・参考
- 株式会社バイウィル「埼玉県川島町とバイウィルが『カーボンニュートラルの取組に関する連携協定』を締結」(2026年10月6日公表)
- 川島町「川島町地球温暖化対策実行計画《事務・事業編》」